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重職心得箇条 / 第十一条

胸中を豁大(かつだい)寛広にすべし。僅少の事を大造に心得て、狹迫なる振る舞いあるべからず。仮令(たとえ)才ありてお其の用を果たさず。人を容るる気象と物を蓄うる器量こそ、誠に大臣の体と云ふべし。

新字:胸中を豁大(かつだい)寛広にすべし。僅少の事を大造に心得て、狭迫なる振る舞いあるべからず。仮令(たとえ)才ありてお其の用を果たさず。人を容るる気象と物を蓄うる器量こそ、誠に大臣の体と云ふべし。

書き下し

胸中を豁大(かつだい)寛広にすべし。僅少の事を大造に心得て、狹迫なる振る舞いあるべからず。仮令(たとえ)才ありてお其の用を果たさず。人を容るる気象と物を蓄うる器量こそ、誠に大臣の体と云ふべし。

現代語訳

胸のうちを広く大きく持つべきである。ささいなことを大げさに考えて、狭く窮屈な振る舞いをしてはならない。たとえ才能があっても、それでは用をなさない。人を受け入れる気象と、物事を蓄えておく器量こそ、まことに大臣たる者のありようというべきである。

解説

胸中を広く大きく持ち、ささいなことを大げさに考えて窮屈な振る舞いをするな、と本条は戒めます。そして、人を受け入れる気象と、物事を蓄える器量こそ、大臣たるもののありようだと結びます。なお「仮令才ありてお其の用を果たさず」の一句は流布本のままの文字で、意味は「才があっても(それでは用をなさない)」と読むのが自然ですが、原本では確かめていません。才能の誇示より、異論や失敗を受け止める容量が大きい人のもとで、組織は力を出せます。狭さを戒める点で、第七条の度量の話とも響き合います。

この章句が説くこと

器量度量気象寛容容れる重職心得箇条

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