導師導古典を学びたいすべての人に

山鹿語類 / 士道・愼容貌之動

射御の制は、儀禮に射義の法を詳にす。御法は絕て不見。本朝射御の制尤詳也。具に習練して其禮を糾明し、君子の道に可至。射義に曰。射者進退周旋必中禮、內志正、外躰直、然後持弓矢審固、持弓矢審固、然後可以言中、此可以觀德行矣と出せり。弓馬は大丈夫の業とする處也。少らくも暇あらんには、平生手習足習て、聊も不可怠也。而して弓馬についての禮さま〳〵品多し。詳に可究理也。

新字:射御の制は、儀礼に射義の法を詳にす。御法は絶て不見。本朝射御の制尤詳也。具に習練して其礼を糾明し、君子の道に可至。射義に曰。射者進退周旋必中礼、内志正、外体直、然後持弓矢審固、持弓矢審固、然後可以言中、此可以観徳行矣と出せり。弓馬は大丈夫の業とする処也。少らくも暇あらんには、平生手習足習て、聊も不可怠也。而して弓馬についての礼さま〳〵品多し。詳に可究理也。

書き下し

射御の制は、儀礼に射義の法を詳にす。御法は絶て不見。本朝射御の制尤詳也。具に習練して其礼を糾明し、君子の道に可至。射義に曰。射者進退周旋必中礼、内志正、外体直、然後持弓矢審固、持弓矢審固、然後可以言中、此可以観徳行矣と出せり。弓馬は大丈夫の業とする処也。少らくも暇あらんには、平生手習足習て、聊も不可怠也。而して弓馬についての礼さま〳〵品多し。詳に可究理也。

現代語訳

射と御の定めについては、『儀礼』に射の儀式の法が詳しい。御の法は全く見えない。わが国の射と御の定めはとりわけ詳しい。具体的に習練してその礼を糾し明らかにし、君子の道に至るべきである。『礼記』射義篇に「射る者は、進退や身のこなしが必ず礼にかない、内の志が正しく外の体がまっすぐであって、そののちに弓矢をしっかりと持つ。弓矢をしっかりと持って、そののちに的に中てることを言える。これによって徳行を見ることができる」と出ている。弓馬は大丈夫の業とするところである。少しでも暇があれば、ふだんから手を習い足を習って、少しも怠ってはならない。そして弓馬についての礼にはさまざまな種類が多い。詳しく理を究めるべきである。

解説

本条は射御、すなわち弓と馬術を論じる。御の法は中国の経書に伝わらないが、わが国の弓馬の定めは詳しいとして、日本の武家の伝統を積極的に評価する。『礼記』射義の「内志正しく外体直くして、然る後に弓矢を持つこと審固なり」を引き、射は的に中てる技ではなく徳行を映すものだという。だから弓馬は暇さえあれば手足で習い、その礼の理を究めよと説く。泰平の世で実戦の機会が減っても、武の稽古を内外を正す修養として続けよというのが素行の主張である。現代でも、技術の稽古を続ける人は、その姿勢の正しさの中に人柄と心の状態を表している。

この章句が説くこと

射御弓馬修身志大丈夫礼記

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る