尉繚子 / 十二陵
不度在於竭民財,不明在於受間,不實在於輕發,固陋在於離賢,禍在於好利,害在於親小人,亡在於無所守,危在於無號令。
新字:不度在於竭民財,不明在於受間,不実在於軽発,固陋在於離賢,禍在於好利,害在於親小人,亡在於無所守,危在於無号令。
書き下し
度(はか)らざるは民財を竭(つ)くすに在り、明らかならざるは間を受くるに在り、実ならざるは軽々しく発するに在り、固陋は賢を離るるに在り、禍は利を好むに在り、害は小人に親しむに在り、亡は守る所無きに在り、危は号令無きに在り。
現代語訳
見通しのなさは民の財を使い尽くすことに表れ、明察のなさは離間の策を受け入れることに表れ、中身のなさは軽々しく動くことに表れ、頑なで見識の狭いことは賢者を遠ざけることに表れ、禍いは利を好むことから生じ、害は小人に親しむことから生じ、滅亡は守るべきものがないことから生じ、危うさは号令がないことから生じる。
解説
十二陵篇の結びで、将や君主が陥る弊を八つ並べる。民の財を使い尽くすのは先の見通しがないから、敵の離間策にかかるのは明察がないから、軽々しく兵を動かすのは中身がないからである。賢者を遠ざければ見識は狭く固まり、利を好めば禍いを招き、小人に親しめば害を受ける。守るべきものがなければ滅び、号令がなければ危うい。尉繚子の説く将の失敗は、戦場の技術より人の選び方や欲の抑え方に多く関わっている。今の組織でも、資源の浪費、噂や中傷に振り回されること、拙速な判断、耳の痛いことを言う人を遠ざけること、目先の利益への執着、取り巻きの重用は、そのまま衰退の兆しとして読める。
関連する章句
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