尉繚子 / 十二陵
慎在於畏小,智在於治大,除害在於敢㫁,
書き下し
慎は小を畏るるに在り、智は大を治むるに在り、害を除くは敢断に在り、
現代語訳
慎みは小さなことを畏れることにあり、知恵は大きなことを治めることにあり、害を除くことは思い切って断じることにあり、
解説
十二陵篇の要の列挙の続きである。慎重さとは小さなことを畏れること、つまり些細な兆しや小さな失敗を軽んじないことだという。一方で知恵とは大きなことを治めること、全体を見て大局を処理する力だという。慎みと知恵を小と大に振り分けているところが面白い。そして害を除くには、ためらわずに断を下す勇気がいると付け加える。尉繚子は全篇を通して将の決断を重んじるが、ここではその決断が慎重さと大局観の上に立つものとして示されている。今の仕事でも、小さなミスの芽を見逃さない細心さと、全体の方針を誤らない大局観、そして問題を見つけたら先送りせずに断つ決断力は、どれも欠かせない資質である。
関連する章句
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尉繚子・十二陵威は変ぜざるに在り、恵は時に因るに在り、機は事に応ずるに在り、戦ひは気を治むるに在り、攻めは意表に在り、守りは外飾に在り、過ち無きは度数に在り、
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尉繚子・十二陵度(はか)らざるは民財を竭(つ)くすに在り、明らかならざるは間を受くるに在り、実ならざるは軽々しく発するに在り、固陋は賢を離るるに在り、禍は利を好むに在り、害は小人に親しむに在り、亡は守る所無きに在り、危は号令無きに在り。
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尉繚子・攻權善き將は、愛と威とのみ。
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尉繚子・戰威賢を舉げ能に任すれば、時日せずして事利あり。法を明らかにし令を審らかにすれば、卜筮せずして吉を獲。功を貴び勞を養えば、禱祠せずして福を得。
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尉繚子・勒卒令夫れ蚤く決するは先んじて定まる。若し計先んじて定まらず、慮蚤く決せざれば、則ち進退定まらず、疑い生じて必ず敗る。
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『長短経』量才〔経に曰く「夫れ将は詳重を以て貴しと為すと雖も、而も決せざるの疑い有る可からず。博く訪うを以て能と為すと雖も、而も多端の惑い有るを欲せず」と。此れ将を論ずるの妙なり。〕
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