酔古堂剣掃 / 集法・平地を履みて恐る
君子對青天而懼,聞雷霆而不驚;履平地而恐,涉風波而不疑。
新字:君子対青天而懼,聞雷霆而不驚;履平地而恐,渉風波而不疑。
書き下し
君子は青天に對して懼れ、雷霆を聞きて驚かず。平地を履みて恐れ、風波を涉りて疑はず。
現代語訳
君子は晴れた空に向かって畏れ慎み、雷鳴を聞いても驚きません。平らな地を歩いていても用心し、風や波を渡るときにはためらいません。
解説
平穏なときに慎み、危機のときに動じないという、君子の心構えを描いた一則です。普通の人は、晴れた日には油断し、雷が鳴れば慌てます。平らな道では気を抜き、荒れた海では迷います。君子はその逆で、何事もないときにこそ畏れ慎み、いざというときには落ち着いて進みます。平時に備えているからこそ、危機に動じないでいられるのでしょう。順調なときほど足もとを確かめ、困難なときほど腹を据える。仕事でも暮らしでも、この逆の心構えが大きな失敗を防いでくれます。
この章句が説くこと
慎重胆力修身備え君子
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