尉繚子 / 十二陵
威在於不變,惠在於因時,機在於應事,戰在於治氣,攻在於意表,守在於外飾,無過在於度數,
新字:威在於不変,恵在於因時,機在於応事,戦在於治気,攻在於意表,守在於外飾,無過在於度数,
書き下し
威は変ぜざるに在り、恵は時に因るに在り、機は事に応ずるに在り、戦ひは気を治むるに在り、攻めは意表に在り、守りは外飾に在り、過ち無きは度数に在り、
現代語訳
威厳は(命令を)変えないことにあり、恩恵は時機に合わせることにあり、機略は事に応じることにあり、戦いは気勢を治めることにあり、攻めは相手の意表を突くことにあり、守りは外見を飾って(内実を悟らせない)ことにあり、過ちのないことは法度と計数を守ることにあり、
解説
十二陵篇の冒頭で、「在於」という形で要点を列挙する。威は命令を変えないことから生まれ、恵みはちょうどよい時に施してこそ生きる。機略は事態に応じて動くことであり、戦いの要は兵の気を整えること、攻めは相手の意表を突くこと、守りは外を飾って内の虚実を悟らせないこと、過ちを防ぐのは基準と計数をきちんと守ることにある。十二陵とは、将が身につけるべき十二の要と、陥ってはならない十二の弊を並べたもので、格言集のような篇である。今の組織に移せば、方針をころころ変えない、報いるなら時機を逃さない、状況に応じて動く、チームの気を整える、数字と基準で過ちを防ぐ、という管理職の心得の一覧として読める。
関連する章句
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尉繚子・十二陵度(はか)らざるは民財を竭(つ)くすに在り、明らかならざるは間を受くるに在り、実ならざるは軽々しく発するに在り、固陋は賢を離るるに在り、禍は利を好むに在り、害は小人に親しむに在り、亡は守る所無きに在り、危は号令無きに在り。
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尉繚子・十二陵慎は小を畏るるに在り、智は大を治むるに在り、害を除くは敢断に在り、
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尉繚子・兵教下臣聞く、人君に必勝の道有り、故に能く并兼広大にして、以て其の制度を一にすれば、則ち威天下に加はる、と。十二有り。一に曰く連刑、同罪保伍を謂ふなり。二に曰く地禁、行道を禁止し、以て外奸を網するを謂ふなり。三に曰く全軍、甲首相附き、三五相同じくし、以て其の聯を結ぶを謂ふなり。四に曰く開塞、地を分かちて以て限り、各其の職に死して堅守するを謂ふなり。五に曰く分限、左右相禁じ、前後相待ち、垣車固めと為し、以て逆へ以て止むるを謂ふなり。六に曰く号別、前列は進むを務め、以て其の後の者と別ち、先登を争ひて次でざるを得ざるを謂ふなり。七に曰く五章、行列を彰明にし、始卒乱れざるを謂ふなり。八に曰く全曲、曲折相従ひ、皆分部有るを謂ふなり。九に曰く金鼓、功有るを興し、徳有るを致すを謂ふなり。十に曰く陳車、前矛を接連し、馬其の目を冒ふを謂ふなり。十一に曰く死士、衆軍の中の材智有る者、戦車に乗り、前後縦横し、奇を出だして敵を制するを謂ふなり。十二に曰く力卒、其の全曲を経し、麾かざれば動かざるを謂ふなり。此の十二の者教成れば、令を犯すは舎さず。兵弱きも能く之を強くし、主卑きも能く之を尊くし、令弊るるも能く之を起こし、民流るるも能く之を親しましめ、人衆きも能く之を治め、地大なるも能く之を守る。国車閫を出でず、組甲橐を出でずして、威天下を服す。兵に五致有り。将と為りては家を忘れ、垠を踰えては親を忘れ、敵を指しては身を忘れ、必死なれば則ち生き、勝を急ぐは下と為す。百人刃を被れば、行を陥れ陳を乱す。千人刃を被れば、敵を擒にし将を殺す。万人刃を被れば、天下に横行す。武王太公望に問ひて曰く、「吾少しく間にして人を用ふるの要を極めんと欲す」と。望対へて曰く、「賞は山の如く、罰は谿の如し。
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