玉勝間 / 十二の巻 平家物語をかたる事盲者撿校の名
同記に、嘉吉四年(文安元)四月七日、詣勸修寺右兵衞權佐亭、只今誓願寺之勸進平家爲聞、可罷出、可同道之由、被命之間、伴參之、左中辨同被出之、皆步行也。予奉連歩、誓願寺之奧心阿彌陀佛御堂有之。珍一撿校、重一撿校、自今月三日始之、而重一聲損之間、今日本一語之とあり。心ノ字は、於を誤れるなるべし。
新字:同記に、嘉吉四年(文安元)四月七日、詣勧修寺右兵衛権佐亭、只今誓願寺之勧進平家為聞、可罷出、可同道之由、被命之間、伴参之、左中弁同被出之、皆歩行也。予奉連歩、誓願寺之奥心阿弥陀仏御堂有之。珍一撿校、重一撿校、自今月三日始之、而重一声損之間、今日本一語之とあり。心ノ字は、於を誤れるなるべし。
書き下し
同じ記に、嘉吉四年(文安元)四月七日、勧修寺右兵衛権佐の亭に詣ず、只今誓願寺の勧進平家を聞かんが為、罷り出ずべし、同道すべきの由、命ぜらるるの間、伴い参る、左中弁同じく出でらる、皆歩行なり。予連歩を奉る、誓願寺の奥、心阿弥陀仏の御堂これ有り。珍一検校、重一検校、今月三日よりこれを始む、而るに重一声損ずるの間、今日本一これを語る、とあり。心の字は、於を誤れるなるべし。
現代語訳
同じ記(康富記)に、「嘉吉四年(文安元年、1444)四月七日、勧修寺右兵衛権佐の邸に参上した。『ただいまから誓願寺の勧進平家を聴きに出かけるので、同道せよ』と命じられたので、お供して参った。左中弁も同じく出られた。みな徒歩である。私もお連れ申して歩いた。誓願寺の奥に阿弥陀仏の御堂がある。珍一検校と重一検校が今月三日からこれ(平家語り)を始めたが、重一は声を損じたので、今日は本一が語った」とある。「心」の字は「於」を誤ったものであろう。
解説
関連する章句
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