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玉勝間 / 十の巻 神事の簡

吉部秘訓抄に、立神事簡、僧尼、重輕服、不淨之輩、不可參入之由書之。

新字:吉部秘訓抄に、立神事簡、僧尼、重軽服、不浄之輩、不可参入之由書之。

書き下し

吉部秘訓抄に、神事の簡を立て、僧尼、重軽服、不浄の輩、参入すべからざる由を之に書く。

現代語訳

吉部秘訓抄に、「神事の簡(ふだ)を立て、僧尼や、重い喪・軽い喪に服している者、不浄の者たちは参入してはならない旨をこれに書く」とある。

解説

吉部秘訓抄から、神事の際に立てる札についての一文を抜き出した段である。神事の期間中は札を立て、僧尼、重い喪や軽い喪に服している者、その他の不浄の者は立ち入ってはならないと書き出した。古代の神事では穢れを避けることが最も重んじられ、死の穢れに触れた者や、仏に仕える僧尼も、神域から遠ざけられた。吉部秘訓抄は、平安末の公家藤原経房の日記吉記から先例を抜き出した書とされる。宣長は、神事の清浄を重んじる古来の作法が、具体的な札の文言として記録に残っていることを示したかったのだろう。何を持ち込まないかをはっきり示すことで場の性格を守るという考え方は、今も祭りや儀式の場に受け継がれている。

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