朱子家訓 / 家門和順
家門和順,雖饔飧不繼,亦有餘歡; 國課早完,即囊橐無餘,自得至樂。
新字:家門和順,雖饔飧不継,亦有余歓; 国課早完,即嚢橐無余,自得至楽。
書き下し
家門和順なれば、饔飧継がずと雖も、亦た余歓有り。 国課早く完うすれば、即ち囊橐に余り無くとも、自ずから至楽を得。
現代語訳
家の中が和やかで従順であれば、たとえ朝夕の食事が満足にとれなくても、なお楽しみが残ります。 国に納める税を早く済ませれば、たとえ財布に何も残らなくても、おのずから最上の楽しみが得られます。
解説
豊かさよりも、家庭の和と務めを果たした心の安らぎのほうが大きな楽しみだと説く条です。「饔飧」は朝夕の食事、「国課」は国に納める税、「囊橐」は袋、つまり手元の財産を指します。貧しくとも家族が睦まじく、納めるべきものを先に納めて負い目がなければ、心は満たされるといいます。当時の価値観では税の納付は民の務めでしたが、現代に置き換えれば、決められた責任を後回しにしないことと言えます。取引先への支払いや社会への義務を早めに果たす経営は、手元の余裕が少なくても、精神的な安定をもたらします。
この章句が説くこと
家門和順余歓国課至楽責任安心
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