朱子家訓 / 勿恃勢力而陵逼孤寡
勿恃勢力而陵逼孤寡; 毋貪口腹而恣殺生靈。
新字:勿恃勢力而陵逼孤寡; 毋貪口腹而恣殺生霊。
書き下し
勢力を恃みて孤寡を陵逼すること勿かれ。 口腹を貪りて生霊を恣に殺すこと毋かれ。
現代語訳
権勢を頼みにして、身寄りのない人や弱い立場の人を押しつけて苦しめてはいけません。 食べたい気持ちに任せて、生き物をほしいままに殺してはいけません。
解説
自分の力を弱い者に向けるな、という戒めが、人から生き物へと広がっていく条です。「孤寡」は身寄りのない子や寡婦など、頼る人のいない人々を指します。儒教では、こうした弱者を守ることが為政者や富者の務めとされてきました。後半の殺生の戒めは、仏教や民間の善書の影響も感じさせ、食欲に流されて命を粗末にしない節度を求めています。現代に置き換えれば、立場の強さを背景に下請けや新人へ無理を強いないことと重なります。力を持つほど、それを使わない選択ができるかが問われます。
この章句が説くこと
勢力孤寡陵逼口腹殺生慈悲
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