朱子家訓 / 器具質而潔
器具質而潔,瓦缶勝金玉。 飲食約而精,園蔬愈珍饈。
書き下し
器具は質にして潔ければ、瓦缶も金玉に勝る。 飲食は約にして精なれば、園蔬も珍饈に愈る。
現代語訳
道具や食器は、飾り気がなくても清潔であれば、素焼きの器でも金や玉の器に勝ります。 飲食は控えめで丁寧に整えれば、庭の野菜でも珍味の御馳走よりすぐれています。
解説
ここで価値の基準とされているのは、値段や希少さではなく、質素さと清潔さ、そして丁寧さです。瓦の器と金玉の器、庭の野菜と珍味という対比は、見栄えより実際の働きや滋味を尊ぶ態度を表しています。「約にして精」とは、量を抑え、そのぶん手をかけるという意味で、質素が粗末と同じではないことを教えます。仕事でも、高価な道具を揃えることより、手入れの行き届いた道具を使いこなす方が成果につながる場面は少なくありません。持ち物の数より、整え方に目を向ける視点です。
この章句が説くこと
質而潔瓦缶約而精園蔬珍饈質素
関連する章句
-
『家道訓』巻之四・用財上一およそ、人家になくてかなはざる物の外、無用の物をもとめたくはへざれば、心のわづらひなく、財のつひえなし。一器物は、朝夕用ある物を宝とすべし。無用の奇物を宝とするは、価は多く費えて、我が用にたつことはまれなり。常に用ある器は、価の費はすくなくて、用にたつこと多し。得がたき宝をたふとぶは、古人のいましめなり。
-
朱子家訓・一粥一飯一粥一飯も、当に来処の易からざるを思うべし。 半絲半縷も、恒に物力の維れ艱きを念え。
-
朱子家訓・居身務期質樸身を居くには務めて質樸を期し、子を教うるには義方有るを要す。
-
『酔古堂剣掃』集素・茶を烹るには潔きを欲す茶を採るには精しきを欲し、茶を藏むるには燥けるを欲し、茶を烹るには潔きを欲す。
-
『酔古堂剣掃』集素・客を待つは潔くして侈らず客を待つは當に潔くすべく、當に侈るべからず。 繼ぐ能はざるを論ずる無く、亦た福を惜しむ所以に非ず。
-
『家道訓』巻之五・用財中衣食家居器物の美をこのまず、物ずきをこのまず。気に合はざるとてかるがるしく改め作らず、営作をこのまず、無用の器物をこのまず、無益の芸能をこのまず、およそこのむ事すくなし。このむ事すくなきは、則是わざはひを好まざるなり。斯くのごとくなる人は、必ず人のいさめをよく聞き用ひてふせがず、
人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る