春秋左氏伝 / 襄公二十七年 崔氏の家督争い
彼己之子。邦之司直。樂喜之謂乎。何以恤我。我其收之。向戌之謂乎。齊崔杼生成。及彊。而寡。娶東郭姜。生明。東郭姜以孤入。曰。棠無咎。與東郭偃相崔氏。崔成有病而廢之。而立明。成請老于崔。崔子許之。偃與無咎弗予。曰崔宗邑也。必在宗主。成與彊怒。將殺之。告慶封曰。夫子之身。亦子所知也。唯無咎與偃是從。父兄莫得進矣。大恐害夫子。敢以告。慶封曰。子姑退。吾圖之。告盧蒲嫳。盧蒲嫳曰。彼君之讎也。天或者將棄彼矣。彼實家亂。子何病焉。崔之薄。慶之厚也。他日又告。慶封曰。苟利夫子。必去之。難吾助女。
新字:彼己之子。邦之司直。楽喜之謂乎。何以恤我。我其収之。向戌之謂乎。斉崔杼生成。及彊。而寡。娶東郭姜。生明。東郭姜以孤入。曰。棠無咎。与東郭偃相崔氏。崔成有病而廃之。而立明。成請老于崔。崔子許之。偃与無咎弗予。曰崔宗邑也。必在宗主。成与彊怒。将殺之。告慶封曰。夫子之身。亦子所知也。唯無咎与偃是従。父兄莫得進矣。大恐害夫子。敢以告。慶封曰。子姑退。吾図之。告盧蒲嫳。盧蒲嫳曰。彼君之讎也。天或者将棄彼矣。彼実家乱。子何病焉。崔之薄。慶之厚也。他日又告。慶封曰。苟利夫子。必去之。難吾助女。
書き下し
「彼の己の子は、邦の司直なり」とは、樂喜の謂か。「何を以て我を恤(めぐ)まん、我其れ之を收めん」とは、向戌の謂か」と。齊の崔杼、成及び彊を生みて寡(やもめ)となる。東郭姜を娶り、明を生む。東郭姜、孤を以て入る、棠無咎と曰ふ。東郭偃と崔氏に相たり。崔成、病有りて之を廢し、而して明を立つ。成、崔に老いんことを請ふ。崔子之を許す。偃と無咎と予へずして曰く、「崔は宗邑なり、必ず宗主に在り」と。成と彊と怒り、將に之を殺さんとす。慶封に告げて曰く、「夫子の身は、亦た子の知る所なり。唯だ無咎と偃とに是れ從ひ、父兄進むを得る莫し。大いに夫子を害せんことを恐る。敢へて以て告ぐ」と。慶封曰く、「子姑く退け、吾之を圖らん」と。盧蒲嫳に告ぐ。盧蒲嫳曰く、「彼は君の讎なり。天或いは將に彼を棄てんとす。彼實に家亂る、子何ぞ病へん。崔の薄きは、慶の厚きなり」と。他日又告ぐ。慶封曰く、「苟も夫子に利あらば、必ず之を去れ。難あらば吾女(なんぢ)を助けん」と。
現代語訳
「あの人こそ、国の正しさをつかさどる者」(『詩経』鄭風・羔裘の句)とは、楽喜(子罕)のことを言うのであろう。「何によって私をいたわってくれるのか、私はそれを受け取ろう」(逸詩の句)とは、向戌のことを言うのであろう」。斉では、崔杼(斉の執政)が成と彊の二人の子をもうけたのち妻を亡くした。そこで東郭姜を娶り、明を生んだ。東郭姜は前夫(棠公)との間の連れ子を伴って嫁いできた。棠無咎という。棠無咎は東郭偃(東郭姜の弟)とともに崔氏の家宰を務めていた。崔成は体に障害があったので、崔杼は彼を跡継ぎから外し、明を立てた。成は崔の邑で隠居したいと願い、崔杼はこれを許した。しかし東郭偃と棠無咎は崔邑を与えず、「崔は宗家の邑であるから、必ず宗主のものでなければならない」と言った。成と彊は怒り、二人を殺そうとした。彼らは慶封(崔杼と並ぶ斉の執政)に告げて言った。「父上の様子は、あなたもご存じのとおりです。ただ無咎と偃の言うことだけを聞き、一族の年長者は誰も近づくことができません。父上に害が及ぶのではないかと大いに恐れています。あえてお知らせいたします」。慶封は言った。「あなたたちはひとまず退きなさい。私が考えよう」。慶封はこのことを盧蒲嫳(慶封の家臣)に告げた。盧蒲嫳は言った。「崔杼は主君(荘公)の仇です。天がいよいよ彼を見捨てようとしているのかもしれません。あちらの家が実際に乱れているのです。あなたが何を心配することがありましょう。崔氏が弱まることは、慶氏が強まることです」。後日、成と彊がまた訴えてきた。慶封は言った。「もし父上のためになるのなら、必ずあの二人を除きなさい。困ったことになれば私が助けよう」。
解説
この章句が説くこと
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