孫子 / 九変篇
是故智者之慮,必雜於利害,雜於利而務可信也,雜於害而患可解也。
新字:是故智者之慮,必雑於利害,雑於利而務可信也,雑於害而患可解也。
書き下し
是の故に智者の慮は、必ず利害に雑う。利に雑えて務め信なる可きなり。害に雑えて患い解く可きなり。
現代語訳
そこで知者の思慮は、必ず利と害の両方を混ぜて考える。利益の中に害を混ぜて考えるから、事業を確実に進められる。害の中に利を混ぜて考えるから、憂いを解くことができる。
解説
利と害を必ずセットで考える、という思考の型である。しかも両方向が示されている。有利な話のときは害を混ぜて考え、不利な話のときは利を混ぜて考える。順風のときほど危険を数え、逆風のときほど活路を探す。人の思考は放っておくと片側に偏る。うまくいっているときはリスクが見えなくなり、追い詰められると好機が見えなくなる。孫子はその偏りを、手続きで矯正しようとしている。会議の設計にそのまま使える。良い案が出たときに、必ず害を挙げる役を置く。悪い知らせが来たときに、必ずそこにある利を探す。個人の性格に頼ると、慎重な人は常に反対し、楽観的な人は常に賛成することになる。混ぜるのは思考の作法であって、性格の話ではない。
この章句が説くこと
利害賢者思考の型判断偏り会議設計
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