春秋繁露 / 『春秋繁露』天道施第八十二・利を煽って静けさは望めない
動其本者、不知靜其末、受其始者、不能辭其終、利者、盜之本也、妄者、亂之始也、夫受亂之始、動盜之本、而欲民之靜、不可得也。
新字:動其本者、不知静其末、受其始者、不能辞其終、利者、盗之本也、妄者、乱之始也、夫受乱之始、動盗之本、而欲民之静、不可得也。
書き下し
其の本を動かす者は、其の末を静むることを知らず、其の始めを受くる者は、其の終わりを辞する能わず。利は盗の本なり、妄は乱の始めなり。夫れ乱の始めを受け、盗の本を動かして、民の静かならんことを欲するは、得べからざるなり。
現代語訳
物事の根本を動かす者は、その末端を静めることを知りません。始まりを受け入れた者は、その終わりを避けることができません。利は盗みの根本であり、でたらめは乱れの始まりです。乱れの始まりを受け入れ、盗みの根本を動かしておきながら、民が静かであることを望んでも、かなうはずがありません。
解説
利益は盗みの根本、でたらめは乱れの始まりだとし、その根を刺激しながら民の安定を望むのは筋が通らないと述べます。『春秋繁露』は前漢の董仲舒に帰される書で、利より義を重んじる儒家の立場がよく表れています。現代の職場に置けば、過度な数字競争やインセンティブで利得への欲を煽りながら、誠実さや不正の防止を求めても噛み合わないという警告になります。仕組みが何を引き出しているかを見直す視点を与えます。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
利盗乱根本末静
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