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春秋繁露 / 『春秋繁露』天道無二第五十一・二つを賤しみ一を貴ぶ

是以目不能二視、耳不能二聽、手不能二事。一手畫方、一手畫圓、莫能成。人為小易之物、而終不能成、反天之不可行、如是。是故古之人、物而書文、心止於一中者、謂之忠;持二中者、謂之患;患、人之中不一者也、不一者、故患之所由生也、是故君子賤二而貴一。人庸無善、善不一、故不足以立身;治庸無常?常不一、故不足以致功。詩云:「上帝臨汝、無二爾心。」知天道者之言也!

新字:是以目不能二視、耳不能二聴、手不能二事。一手画方、一手画円、莫能成。人為小易之物、而終不能成、反天之不可行、如是。是故古之人、物而書文、心止於一中者、謂之忠;持二中者、謂之患;患、人之中不一者也、不一者、故患之所由生也、是故君子賤二而貴一。人庸無善、善不一、故不足以立身;治庸無常?常不一、故不足以致功。詩云:「上帝臨汝、無二爾心。」知天道者之言也!

書き下し

是を以て目は二つ視ること能わず、耳は二つ聴くこと能わず、手は二つ事うること能わず。一手に方を画き、一手に円を画けば、能く成す莫し。人は小易の物為るも、終に成す能わず。天に反して行うべからざること、是くの如し。是の故に古の人、物して文を書す。心の一中に止まる者、之を忠と謂い、二中を持つ者、之を患と謂う。患とは、人の中の一ならざる者なり。一ならざる者、故に患の由りて生ずるなり。是の故に君子は二を賤しみて一を貴ぶ。人は庸ぞ善無からん、善一ならざれば、故に以て身を立つるに足らず。治は庸ぞ常無からん、常一ならざれば、故に以て功を致すに足らず。詩に云う、「上帝汝に臨む、爾の心を二つにする無かれ」と。天道を知る者の言なり。

現代語訳

目は二つのものを同時に見られず、耳は二つのものを同時に聞けず、手は二つの事を同時にできません。片手で四角を描き、もう片手で円を描こうとしても、成し遂げられません。人にとって簡単な小さな事でさえ、二つを同時にはできないのですから、天に反して行えないことはこのとおりです。そこで昔の人は文字を作る際、心が一つの中にとどまるものを「忠」と呼び、二つの中を持つものを「患」と呼びました。患とは、人の中が一つにまとまらないことで、一つにならないところから憂いが生まれます。ですから君子は二を賤しみ、一を貴びます。人に善がないわけではありませんが、善が一つにまとまらなければ、身を立てるには足りません。政治にも常のやり方がないわけではありませんが、それが一つにまとまらなければ、功を挙げるには足りません。『詩』に「上帝があなたに臨んでいる、あなたの心を二つにしてはならない」とあるのは、天の道を知る者の言葉です。

解説

手で四角と円を同時に描けないように、心も二つに分かれれば事は成らないと説きます。忠は中と心、患は二つの中と心という字の成り立ちに重ねています。『春秋繁露』は前漢の董仲舒に帰される書で、天の道は一つであるという天人相応の議論の結びに置かれた箇所です。現代の仕事に引き寄せれば、方針が二つに割れた組織や、優先順位を同時に二つ掲げる上司の下では成果が出にくいということでしょう。何を一つに定めるかを先に決める大切さを示します。
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この章句が説くこと

一二心忠患立身功

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