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尚書 / 蔡仲之命

詳乃視聽,罔以側言改厥度,則予一人汝嘉。」王曰:「嗚呼!小子胡,汝往哉!無荒棄朕命。」

新字:詳乃視聴,罔以側言改厥度,則予一人汝嘉。」王曰:「嗚呼!小子胡,汝往哉!無荒棄朕命。」

書き下し

乃の視聴を詳らかにし、側言を以て厥の度を改むる罔ければ、則ち予一人汝を嘉せん。」王曰く、「嗚呼(ああ)!小子胡よ、汝往けや。朕の命を荒棄すること無かれ。」

現代語訳

汝の見聞きすることを詳しく確かめ、偏った言葉によって法度を改めることがなければ、私一人は汝をほめたたえるであろう。」王は言った。「ああ、若き胡よ、汝は行け。私の命をおろそかにして捨てることがあってはならない。」

解説

蔡仲之命の結びで、王は蔡仲に、見聞きすることを詳しく確かめ、偏った言葉(側言)に惑わされて法度を改めてはならないと戒める。蔡仲の父・蔡叔は流言に加わって身を滅ぼしたのであり、根拠の不確かな話に動かされないことは、蔡仲にとって何より切実な教えであった。最後に「汝往けや、朕の命を荒棄すること無かれ」と送り出す言葉は、任命の文書である「命」の定型をよく示している。噂や一方的な報告で方針を変えてしまうことは、今の組織でもよく起こる。自分の目と耳で確かめてから判断せよという教えは、指導者の基本として今も変わらない。本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。

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