尚書 / 蔡仲之命
康濟小民,率自中,無作聰明亂舊章
新字:康済小民,率自中,無作聰明乱旧章
書き下し
小民を康濟するに、率ね中よりし、聰明を作して舊章を亂すこと無かれ。
現代語訳
民を安んじ救うには、おおむね中庸の道によるべきであり、小賢しい思いつきによって古くからの制度を乱してはならない。
解説
人を助け物事をうまく運ぶには、極端に走らず、これまで積み重ねられてきたやり方を軽んじないほうがよいと説く一句である。新しい思いつきは魅力的に見えるものだが、それが本当に検証されたものなのか、単なる目先の閃きに過ぎないのかは冷静に見極める必要がある。長年のやり方には、失敗を重ねて磨かれてきた理由があることも多い。変えることが常に進歩とは限らず、まず今あるものの意味を理解してから手を加えたい。なお、本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見るこの章句が説くこと
中庸慎重既存の知恵
関連する章句
-
論語・述而篇子の慎む所は、斉・戦・疾なり。
-
論語・為政篇子張禄を干(もと)むを学ぶ。子曰く、多く聞いて疑わしきを闕(か)き、其の余を慎言すれば、則ち尤(とがめ)寡なし。多く見て殆(あやう)きを闕き、其の余を慎行すれば、則ち悔寡なし。言に尤寡なく、行に悔寡なければ、禄は其の中に在り。
-
『酔古堂剣掃』集法・拙く初めに戒む其の巧みに末に持せんよりは、拙く初めに戒むるに若かず。
-
『酔古堂剣掃』集法・平地を履みて恐る君子は青天に對して懼れ、雷霆を聞きて驚かず。平地を履みて恐れ、風波を涉りて疑はず。
-
『武家家訓集』武田信繁家訓九十九箇条「第28〜30条」一、深く知晉たりと雖も、人前に於いて妄りに雜談すべからざる事。語に云ふ、三たび思ひて一たび言ひ、九たび思ひて一たび行ふ、と。 一、參禪嗜むべき事。語に曰く、參禪に別に秘決無し、唯だ生死を思ふこと切なり、と。 一、何れの時にも歸宿の時は、先へ使者を遣はすべし。自然留守番衆の行儀等油斷の砌、折檻閣き難く、又細事を以て礼明すれば、際限無からんか。云ふ、敎へずして殺す、之を逆と云ふ、と。
-
易経・鼎卦鼎趾を顛(さかしま)にすとは、未だ悖(もと)らざるなり。否(わる)きを出すに利ありとは、以て貴きに従ふなり。鼎に実有りとは、之(ゆ)く所を慎むなり。我が仇疾有りとは、終に尤无きなり。鼎の耳革まるとは、其の義を失ふなり。公の餗(そく)を覆すとは、信に如何せん。鼎黄耳ありとは、中以て実と為すなり。玉鉉上に在るは、剛柔節あるなり。