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家道訓 / 巻之二・総論中

一家の主人たる人は、讒を信ずべからず。凡讒言は、小過を大過に言ひなし、小惡を大惡に言ひなし、似たるを實に言ひなし、無きを有るに言ひなし、或は其の人のきらふ所を知りていからしむる、皆讒言のたくみなる言なり。きく人明らかに察すべし、まよふべからず。才力ある人といへども、讒者には迷ひやすし。かなしむべし。只、智者は惑はず。

新字:一家の主人たる人は、讒を信ずべからず。凡讒言は、小過を大過に言ひなし、小悪を大悪に言ひなし、似たるを実に言ひなし、無きを有るに言ひなし、或は其の人のきらふ所を知りていからしむる、皆讒言のたくみなる言なり。きく人明らかに察すべし、まよふべからず。才力ある人といへども、讒者には迷ひやすし。かなしむべし。只、智者は惑はず。

書き下し

一家の主人たる人は、讒を信ずべからず。凡讒言は、小過を大過に言ひなし、小悪を大悪に言ひなし、似たるを実に言ひなし、無きを有るに言ひなし、或は其の人のきらふ所を知りていからしむる、皆讒言のたくみなる言なり。きく人明らかに察すべし、まよふべからず。才力ある人といへども、讒者には迷ひやすし。かなしむべし。只、智者は惑はず。

現代語訳

家の主人たる人は、讒言を信じてはいけません。およそ讒言は、小さな過ちを大きな過ちに言いなし、小さな悪を大きな悪に言いなし、似ているものを事実のように言いなし、無いものを有るように言いなし、あるいはその人の嫌うところを知って怒らせるもので、皆讒言の巧みな言葉です。聞く人は明らかに察して、迷ってはいけません。才力のある人でも、讒言する者には迷いやすいのです。悲しむべきことです。ただ智者だけは惑いません。

解説

讒言の手口を具体的に並べています。小さな過ちを大きく言う、似ていることを事実のように言う、無いことを有るように言う、相手の嫌うことを知っていて怒らせる、というものです。才力のある人でも讒言には迷いやすく、惑わないのは智者だけだと言います。五常訓の智の巻で説いた、讒言を見抜く心の明と同じ主題です。誇張、すり替え、でっち上げ、感情への訴えという手口は、今の噂話やネット上のデマにもそのまま見られます。

この章句が説くこと

讒言智判断家長噂

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