尚書 / 旅獒
志以道寧,言以道接。
書き下し
志は道を以て寧んじ、言は道を以て接す。
現代語訳
志は道によって安定させ、言葉は道によって(人の言葉を)受け止める。
解説
旅獒篇の一句で、直前の「人を玩べば徳を喪ひ、物を玩べば志を喪ふ」という名句を受ける。物や人をもてあそんで志を失わないためには、志を道によって落ち着かせ、人の言葉も道に照らして受け止めよと説く。心の拠り所を好悪や欲望ではなく道に置くことで、判断がぶれず、甘言にも惑わされなくなるという考えである。後世の儒家は、ここに修身の要として心を正しい基準に据えることの大切さを読み取った。忙しさや目先の楽しみに振り回されがちな今の暮らしでも、自分の志をどこに据え、人の言葉を何に照らして聞くのかを問い直させる一句である。本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
関連する章句
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尚書・旅獒人を玩べば徳を喪い、物を玩べば志を喪う。
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尚書・旅獒允に茲を迪(ふ)まば、生民厥の居を保ち、惟れ乃ち世々王たらん。」
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尚書・旅獒遠物を宝とせざれば、則ち遠人格る。宝とする所は惟れ賢なれば、則ち邇人安んず。
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尚書・旅獒無益を作して有益を害せざれば、功乃ち成る。異物を貴んで用物を賤しめざれば、民乃ち足る。
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尚書・旅獒嗚呼(ああ)、夙夜或いは勤めざること罔かれ、
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尚書・旅獒惟れ商に克ち、遂に道を九夷八蛮に通ず。西旅厥の獒(がう)を厎(いた)し貢ぐ。太保乃ち『旅獒』を作り、用て王を訓ふ。曰く、「嗚呼(ああ)、明王徳を慎めば、四夷咸賓す。遠邇有る無く、畢く方物を献ずるも、惟れ服食器用のみ。王乃ち徳の致すものを異姓の邦に昭らかにし、厥の服を替(す)てしむる無し。宝玉を伯叔の国に分かち、時れ庸て親を展(あつ)くす。人物を易(あなど)らず、惟れ徳其れ物とす。徳盛んなれば狎侮せず。君子を狎侮すれば、以て人の心を尽くさしむる罔し。小人を狎侮すれば、以て其の力を尽くさしむる罔し。耳目に役せられずんば、百度惟れ貞しく、
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