尚書 / 洪範
平康正直,彊弗友剛克,燮友柔克;沈潛剛克,高明柔克。惟辟作福,惟辟作威,惟辟玉食,臣無有作福、作威、玉食;臣之有作福、作威、玉食,其害于而家、而凶于而國。人用側頗僻,民用僭忒。」「七、稽疑:擇建立卜筮人,乃命卜筮,曰雨,曰霽,曰圛,曰雺,曰克,曰貞,曰悔。凡七卜,五占用,二衍忒。立時人作卜筮,三人占,則從二人之言。
新字:平康正直,彊弗友剛克,燮友柔克;沈潜剛克,高明柔克。惟辟作福,惟辟作威,惟辟玉食,臣無有作福、作威、玉食;臣之有作福、作威、玉食,其害于而家、而凶于而国。人用側頗僻,民用僭忒。」「七、稽疑:択建立卜筮人,乃命卜筮,曰雨,曰霽,曰圛,曰雺,曰克,曰貞,曰悔。凡七卜,五占用,二衍忒。立時人作卜筮,三人占,則従二人之言。
書き下し
平康なるは正直、彊にして友ならざるは剛もて克ち、燮(やはら)ぎて友なるは柔もて克つ。沈潜なるは剛もて克ち、高明なるは柔もて克つ。惟れ辟(きみ)のみ福を作し、惟れ辟のみ威を作し、惟れ辟のみ玉食す。臣は福を作し、威を作し、玉食すること有る無し。臣の福を作し、威を作し、玉食すること有らば、其れ而(なんぢ)の家に害あり、而の国に凶あらん。人用て側頗僻し、民用て僭忒(せんとく)せん。」「七、稽疑。卜筮の人を択び建立し、乃ち卜筮を命ず、曰く雨、曰く霽、曰く圛(えき)、曰く雺(ぼう)、曰く克、曰く貞、曰く悔。凡そ七。卜は五、占は二を用ひ、衍忒す。時の人を立てて卜筮を作さしめ、三人占へば、則ち二人の言に従ふ。
現代語訳
世が平らかで安らかなときは正直で治め、強情で従わない者には剛で臨み、和らいで従う者には柔で臨む。沈み潜んで(気力に欠ける)者には剛で励まし、高く明るい(気位の高い)者には柔で抑える。ただ君主だけが福(賞)を与え、ただ君主だけが威(罰)を加え、ただ君主だけが美食をする。臣下が福を与え、威を加え、美食をすることがあってはならない。臣下が福を与え、威を加え、美食をするようになれば、君主の家に害があり、君主の国に災いがある。役人は偏って道に外れ、民は分を越えて過ちを犯すようになる。」「七、稽疑。卜いと筮(めどぎ)を行う人を選んで立て、卜筮を行わせる。(亀卜の兆しには)雨、霽(晴れ)、圛(えき、雲が途切れる形)、雺(ぼう、霧のかかる形)、克(こく、交わる形)があり、(易の卦には)貞(てい、内卦)、悔(かい、外卦)がある。およそ七つである。卜には五つ、占(筮)には二つを用い、その変化を推し量る。その人を立てて卜筮を行わせ、三人が占ったときは、二人の言うところに従う。
解説
関連する章句
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尚書・洪範恭は粛を作し、従は乂を作し、明は晢(せつ)を作し、聡は謀を作し、睿は聖を作す。」「三、八政。一に曰く食、二に曰く貨、三に曰く祀、四に曰く司空、五に曰く司徒、六に曰く司寇、七に曰く賓、八に曰く師。」「四、五紀。一に曰く歳、二に曰く月、三に曰く日、四に曰く星辰、五に曰く暦数。」「五、皇極。皇其の有極を建て、時の五福を斂めて、用て厥の庶民に敷き錫ふ。惟れ時に厥の庶民汝が極に于(お)いて、汝に保極を錫ふ。凡そ厥の庶民、淫朋有ること無く、人比徳有ること無きは、惟れ皇極を作せばなり。凡そ厥の庶民、猷有り為有り守有るは、汝則ち之を念へ。極に協はずとも、咎に罹らざるは、皇則ち之を受けよ。而して康にして色(やはら)ぎ、『予好む攸は徳なり』と曰はば、汝則ち之に福を錫へ。時の人斯れ其れ惟れ皇の極とせん。
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尚書・洪範一に曰く正直、二に曰く剛克、三に曰く柔克。
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尚書・洪範汝則ち従ひ、亀従ひ、筮従ひ、卿士従ひ、庶民従ふ、是れを之れ大同と謂ふ。身其れ康彊に、子孫其れ逢(おほい)ならん、吉なり。汝則ち従ひ、亀従ひ、筮従ひ、卿士逆ひ、庶民逆ふも、吉なり。卿士従ひ、亀従ひ、筮従ひ、汝則ち逆ひ、庶民逆ふも、吉なり。庶民従ひ、亀従ひ、筮従ひ、汝則ち逆ひ、卿士逆ふも、吉なり。汝則ち従ひ、亀従ひ、筮逆ひ、卿士逆ひ、庶民逆へば、内に作すは吉、外に作すは凶なり。亀筮共に人に違へば、静を用ふれば吉、作を用ふれば凶なり。」「八、庶徴。曰く雨、曰く暘(よう)、曰く燠(いく)、曰く寒、曰く風。曰く時に五者来り備はり、各々其の敘を以てすれば、庶草蕃廡(はんぶ)す。一の極めて備はるは凶、一の極めて無きも凶なり。曰く休徴。曰く粛なれば、時の雨若(したが)ふ。曰く乂なれば、時の暘若ふ。曰く晢なれば、時の燠若ふ。曰く謀なれば、時の寒若ふ。曰く聖なれば、時の風若ふ。曰く咎徴。曰く狂なれば、恒の雨若ふ。曰く僭なれば、恒の暘若ふ。曰く豫なれば、恒の燠若ふ。曰く急なれば、恒の寒若ふ。曰く雺なれば、恒の風若ふ。曰く王の省るは惟れ歳、卿士は惟れ月、師尹は惟れ日。歳月日時易はること無ければ、百穀用て成り、乂用て明らかに、俊民用て章(あら)はれ、家用て平康なり。日月歳時既に易はれば、百穀用て成らず、乂用て昏くして明らかならず、俊民用て微にして、家用て寧からず。庶民は惟れ星、星に風を好むもの有り、星に雨を好むもの有り。日月の行、則ち冬有り夏有り。月の星に従ふ、則ち以て風雨あり。」「九、五福。一に曰く寿、二に曰く富、三に曰く康寧、四に曰く攸好徳、五に曰く考終命。六極。一に曰く凶短折、二に曰く疾、三に曰く憂、四に曰く貧、五に曰く悪、六に曰く弱。」
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史記 宋微子世家稽疑。択びて卜筮の人を建立す。乃ち卜筮に命ず。雨と曰ひ、済と曰ひ、涕と曰ひ、霧と曰ひ、克と曰ひ、貞と曰ひ、悔と曰ふ、凡そ七。卜は五、占は二を用ひ、衍貣(えんとく)す。時の人を立てて卜筮を為さしめ、三人占はば則ち二人の言に従ふ。女則ち大疑有らば、謀ること女の心に及ぼし、謀ること卿士に及ぼし、謀ること庶人に及ぼし、謀ること卜筮に及ぼせ。女則ち従ひ、亀従ひ、筮従ひ、卿士従ひ、庶民従ふ、是を之れ大同と謂ふ。而の身其れ康彊にして、而の子孫其れ吉に逢はん。女則ち従ひ、亀従ひ、筮従ひ、卿士逆らひ、庶民逆らふも、吉。卿士従ひ、亀従ひ、筮従ひ、女則ち逆らひ、庶民逆らふも、吉。庶民従ひ、亀従ひ、筮従ひ、女則ち逆らひ、卿士逆らふも、吉。女則ち従ひ、亀従ひ、筮逆らひ、卿士逆らひ、庶民逆らはば、内に作せば吉、外に作せば凶。亀筮共に人に違はば、静を用ふれば吉、作を用ふれば凶。庶徴。雨と曰ひ、陽と曰ひ、奥と曰ひ、寒と曰ひ、風と曰ひ、時と曰ふ。五者来たりて備はり、各々其の序を以てせば、庶草繁廡す。一極めて備はるも、凶。一極めて亡きも、凶。休徴を曰ふ。粛と曰へば、時雨若(したが)ふ。治と曰へば、時暘若ふ。知と曰へば、時奥若ふ。謀と曰へば、時寒若ふ。聖と曰へば、時風若ふ。咎徴を曰ふ。狂と曰へば、常雨若ふ。僭と曰へば、常暘若ふ。舒と曰へば、常奥若ふ。急と曰へば、常寒若ふ。霧と曰へば、常風若ふ。王の眚(み)るは維れ歳、卿士は維れ月、師尹は維れ日。歳月日時易はること毋くんば、百穀用て成り、治用て明らかに、畯民用て章(あら)はれ、家用て平康なり。日月歳時既に易はらば、百穀用て成らず、治用て昏くして明らかならず、畯民用て微(かく)れ、家用て寧からず。庶民は維れ星、星に風を好むもの有り、星に雨を好むもの有り。日月の行、冬有り夏有り。月の星に従へば、則ち以て風雨あり。五福。一を寿と曰ひ、二を富と曰ひ、三を康寧と曰ひ、四を攸好徳と曰ひ、五を考終命と曰ふ。六極。一を凶短折と曰ひ、二を疾と曰ひ、三を憂と曰ひ、四を貧と曰ひ、五を悪と曰ひ、六を弱と曰ふ」と。
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尚書・洪範人の能有り為有る、其の行ひを羞(すす)めしめば、邦其れ昌えん。凡そ厥の正人、既に富みて方に穀すれば、汝而(なんぢ)の家に好有らしむる能はずんば、時の人斯れ其れ辜あらん。其の好徳無きに于いては、汝之に福を錫ふと雖も、其れ汝に用て咎を作さん。偏無く頗無く、王の義に遵へ。好を作す有る無く、王の道に遵へ。悪を作す有る無く、王の路に遵へ。
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史記 宋微子世家恭は粛を作し、従は治を作し、明は智を作し、聡は謀を作し、睿は聖を作す。八政。一を食と曰ひ、二を貨と曰ひ、三を祀と曰ひ、四を司空と曰ひ、五を司徒と曰ひ、六を司寇と曰ひ、七を賓と曰ひ、八を師と曰ふ。五紀。一を歳と曰ひ、二を月と曰ひ、三を日と曰ひ、四を星辰と曰ひ、五を歴数と曰ふ。皇極。皇其の有極を建て、時の五福を斂めて、用て敷きて其の庶民に錫ふ。維れ時れ其の庶民女の極に于(おい)て、女に保極を錫ふ。凡そ厥の庶民は、淫朋有ること毋く、人比徳有ること毋く、維れ皇極を作す。凡そ厥の庶民、猷有り為有り守有るは、女則ち之を念へ。極に協はずとも、咎に離(かか)らざるは、皇則ち之を受けよ。而ち而の色を安んじて、予が好む所は徳なりと曰はば、女則ち之に福を錫へ。時の人斯れ其れ維れ皇の極とせん。寡を侮りて高明を畏るること毋かれ。人の能有り為有る、其の行ひを羞めしめば、而ち国其れ昌えん。凡そ厥の正人は、既に富ましめて方に穀(よ)くせよ。女、而の家に好有らしむること能はずんば、時の人斯れ其れ辜あらん。其の好むこと毋きに于ては、女之に福を錫ふと雖も、其れ女の用て咎を作さん。偏すること毋く頗すること毋く、王の義に遵へ。好を作すこと有る毋く、王の道に遵へ。悪を作すこと有る毋く、王の路に遵へ。偏すること毋く党すること毋くんば、王道蕩蕩たり。党すること毋く偏すること毋くんば、王道平平たり。反すること毋く側すること毋くんば、王道正直なり。其の有極に会し、其の有極に帰せよ。曰く、王極の敷言は、是れ夷(つね)是れ訓にして、帝に于て其れ順ふ。凡そ厥の庶民、極の敷言に、是れ順ひ是れ行はば、以て天子の光に近づかん。曰く、天子は民の父母と作りて、以て天下の王と為る。三徳。一を正直と曰ひ、二を剛克と曰ひ、三を柔克と曰ふ。平康なるは正直、彊にして友ならざるは剛克、内に友なるは柔克。沈漸なるは剛克、高明なるは柔克。維れ辟(きみ)のみ福を作し、維れ辟のみ威を作し、維れ辟のみ玉食す。臣は福を作し威を作し玉食すること有る无し。臣福を作し威を作し玉食すること有らば、其れ而の家に害あり、而の国に凶あり。人用て側頗辟(へき)し、民用て僭忒(せんとく)せん。
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