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尚書 / 盤庚上

古我先王,暨乃祖乃父,胥及逸勤;予敢動用非罰?世選爾勞,予不掩爾善。兹予大享于先王,爾祖其從與享之。作福作災,予亦不敢動用非德。予告汝于難;若射之有志。汝無老侮成人,無弱孤有幼。各長于厥居,勉出乃力,聽予一人之作猷。無有遠邇,用罪伐厥死,用德彰厥善。邦之臧,惟汝眾;邦之不臧,惟予一人有佚罰。凡爾眾,其惟致告:自今至于後日,各恭爾事,齊乃位,度乃口。罰及爾身,弗可悔。」

新字:古我先王,暨乃祖乃父,胥及逸勤;予敢動用非罰?世選爾労,予不掩爾善。茲予大享于先王,爾祖其従与享之。作福作災,予亦不敢動用非徳。予告汝于難;若射之有志。汝無老侮成人,無弱孤有幼。各長于厥居,勉出乃力,聴予一人之作猷。無有遠邇,用罪伐厥死,用徳彰厥善。邦之臧,惟汝衆;邦之不臧,惟予一人有佚罰。凡爾衆,其惟致告:自今至于後日,各恭爾事,斉乃位,度乃口。罰及爾身,弗可悔。」

書き下し

古我が先王、乃の祖乃の父と暨(とも)に、胥(あひ)逸勤を及にす。予敢て非罰を動用せんや。世々爾の労を選び、予爾の善を掩はず。茲に予大いに先王を享(まつ)り、爾の祖其れ従ひて与に之を享く。福を作し災を作す、予も亦敢て非徳を動用せず。予汝に難きを告ぐ、射るの志有るが若し。汝老成人を侮ること無かれ、孤有幼を弱んずること無かれ。各々厥の居に長じ、勉めて乃の力を出し、予一人の作す猷(はかりごと)を聴け。遠邇有る無く、罪を用て厥の死を伐ち、徳を用て厥の善を彰す。邦の臧(よ)きは、惟れ汝衆なり。邦の臧からざるは、惟れ予一人佚罰有り。凡そ爾衆、其れ惟れ致し告げよ。今より後日に至るまで、各々爾の事を恭しくし、乃の位を斉へ、乃の口を度れ。罰爾の身に及ばば、悔ゆべからず。」

現代語訳

昔、我が先王は汝らの祖父や父とともに、安楽も苦労も分かち合ってきた。私がどうして不当な罰を用いようか。代々汝らの功労を選んで記し、私は汝らの善行を覆い隠さない。いま私が先王を盛大に祭るとき、汝らの祖先もそれに従って共に祭りを受けている。福を下すのも災いを下すのも(先王と祖霊の意に従うのであり)、私もまた道に外れたことを勝手に行いはしない。私は汝らに困難なことを告げる。それは弓を射る者が的に狙いを定めるようなものである(一つの目標に心を定めよ)。汝らは年老いて経験を積んだ人を侮ってはならず、孤児や幼い者を軽んじてはならない。それぞれ新しい住まいで長く暮らし、力を尽くして働き、私一人が立てる計画に耳を傾けよ。遠い者も近い者も分け隔てなく、罪ある者はその罪で罰して死に至らせ、徳ある者はその徳によって善を表彰する。国がよく治まるなら、それは汝ら衆の功である。国が治まらないなら、それは私一人が罰を誤った責任である。汝ら衆は皆、このことを伝え告げよ。今日から後々まで、各自その職務を慎み、持ち場を整え、口を慎め。罰がその身に及んでからでは、悔いても取り返しがつかない。」

解説

盤庚上篇の結びである。王は、先王と臣下の祖先が苦楽を共にしてきた歴史を持ち出し、祭祀では臣下の祖霊も共に祀られていると語って、君臣の結びつきを祖先の世代にまで遡らせる。そのうえで、功労は覆い隠さず、罪は遠近の別なく罰すると賞罰の公平を約束する。「邦の臧きは汝衆、臧からざるは予一人」という言い方は、成果は部下に、失敗の責めは自分に帰する君主の姿勢として後世しばしば引かれた。老人を侮らず幼い者を軽んじるなという戒めも添えられる。改革の最後に、手柄と責任の配り方を明言することが人を動かす要になると教える一節である。

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