韓非子 / 用人第二十七
罪生甲,禍歸乙,伏怨乃結。故至治之國,有賞罰而無喜怒,故聖人極;
新字:罪生甲,禍帰乙,伏怨乃結。故至治之国,有賞罰而無喜怒,故聖人極;
書き下し
罪は甲に生じて、禍は乙に帰すれば、伏怨乃ち結ぶ。故に至治の国は、賞罰有りて喜怒無し、故に聖人極まる。
現代語訳
罪は甲の者が犯したのに、禍いが乙の者に降りかかるようであれば、ひそかな恨みが結ばれてしまう。だから、この上なくよく治まった国には、賞罰はあっても(君主の)喜怒はない。だから聖人(の治め方)が極まるのである。
解説
罰の筋違いが恨みを生むことを戒める一句です。直前で韓非は、君主が臣下の苦しみを顧みず、刑罰を誤るさまを述べています。罪を犯したのは甲なのに乙が罰せられれば、罰された者の恨みは深く潜み、いつか主君に向かいます。そこで理想の国では、賞罰はあっても君主の喜怒はない、つまり感情ではなく法に従って賞罰を行うと韓非は言います。この後、刑法はあっても毒のような害はなく、悪人も心服すると続きます。職場で失敗の責任を本人でなく部下や別の人に押しつけたり、上司の怒りで関係ない人が叱られたりすれば、目に見えない恨みが積もり、組織の信頼は内側から崩れていきます。
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