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尚書 / 盤庚上

若農服田力穡,乃亦有秋。汝克黜乃心,施實德于民,至于婚友;丕乃敢大言,汝有積德。乃不畏戎毒于遠邇;惰農自安,不昏作勞,不服田畝,越其罔有黍稷。汝不和吉言于百姓,惟汝自生毒;乃敗禍奸宄,以自災于厥身。乃既先惡于民,乃奉其恫,汝悔身何及!相時憸民,猶胥顧于箴言;其發有逸口,矧予制乃短長之命?汝曷弗告朕,而胥動以浮言,恐沈于眾?

新字:若農服田力穡,乃亦有秋。汝克黜乃心,施実徳于民,至于婚友;丕乃敢大言,汝有積徳。乃不畏戎毒于遠邇;惰農自安,不昏作労,不服田畝,越其罔有黍稷。汝不和吉言于百姓,惟汝自生毒;乃敗禍奸宄,以自災于厥身。乃既先悪于民,乃奉其恫,汝悔身何及!相時憸民,猶胥顧于箴言;其発有逸口,矧予制乃短長之命?汝曷弗告朕,而胥動以浮言,恐沈于衆?

書き下し

農の田に服し穡(しょく)に力むれば、乃ち亦秋有るが若し。汝克く乃の心を黜け、実徳を民に施し、婚友に至らば、丕いに乃ち敢て大言して、汝積徳有りと言はん。乃ち戎毒を遠邇に畏れず、惰農の自ら安んじ、作労に昏(つと)めず、田畝に服せずんば、越(ここ)に其れ黍稷有る罔し。汝吉言を百姓に和せず、惟れ汝自ら毒を生ず。乃ち禍を敗し奸宄(かんき)して、以て自ら厥の身に災す。乃ち既に民に先んじて悪しくし、乃ち其の恫(いたみ)を奉ず、汝身を悔ゆるとも何ぞ及ばん。時の憸民(せんみん)を相るに、猶ほ胥(あひ)箴言を顧みる。其の発するに逸口有り、矧んや予乃の短長の命を制するをや。汝曷ぞ朕に告げずして、胥動かすに浮言を以てし、衆を沈めんことを恐れしむる。

現代語訳

農夫が田に励み取り入れに力を尽くせば、やがて秋の実りがあるようなものだ。汝らがよく私心を退け、まことの徳を民に施し、親族や友人にまで及ぼしたなら、そのときこそ胸を張って大きなことを言い、汝らには積んだ徳があると言えよう。(ところが汝らは)遠くにも近くにも大きな害が及ぶことを恐れない。怠け者の農夫が自ら安楽をむさぼり、骨折り仕事に励まず、田畑に出なければ、黍(きび)も稷(あわ)も実らないのと同じである。汝らは民に善い言葉を和して伝えず、自ら害毒を生んでいる。災いを招き、悪事をはたらき、自らの身に災難を招いている。民に先立って悪をなしたからには、その痛みを自ら受けるのであり、後で身を悔いても間に合わない。あのつまらない民でさえ、互いに戒めの言葉を顧みている。口を開けば勝手なことを言う者がいるのに、ましてや私は汝らの寿命の長短を握っているのだ。汝らはなぜ私に直接言わず、根拠のない言葉で互いを動揺させ、民衆を(災いに)沈めようとして恐れさせるのか。

解説

本章句は盤庚が臣下を責める一段である。農夫が田に励めば秋の実りがあるという比喩で、私心を捨てて民に実のある徳を施せと説き、怠け者の農夫には収穫がないと突き放す。さらに、つまらない民ですら戒めを聞き合うのに、臣下が王に直接言わず浮言で衆を動揺させていると叱責する。殷の王は生殺の権を握ると明言しており、誥の言葉には脅しと説得が入り混じる。改革に不満があるなら陰で噂を広めず本人に言えという要求は、今の職場でも変わらない。上に立つ者の側も、直接言える場を用意しているかが問われる。

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