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尚書 / 伊訓

爾惟德罔小,萬邦惟慶;爾惟不德罔大,墜厥宗。」

新字:爾惟徳罔小,万邦惟慶;爾惟不徳罔大,墜厥宗。」

書き下し

爾惟れ徳は小なりとする罔かれ、万邦惟れ慶ばん。爾惟れ不徳は大なりとする罔くとも、厥の宗を墜さん」と。

現代語訳

そなたは徳を行うのに、小さなことだからと軽んじてはならない。(小さな徳の積み重ねで)あらゆる国が喜ぶだろう。そなたの不徳は、たとえ大きなものでなくても、その宗廟を失わせることになるだろう。」

解説

伊訓の結びの言葉である。伊尹は太甲に、徳はどんなに小さくても行えば天下が喜び、不徳はどんなに小さくても積もれば祖先の宗廟を失うことになると戒める。小さな善も軽んじず、小さな悪も侮るなという教えで、三国時代の劉備が遺言で「悪小なるを以て之を為すこと勿かれ、善小なるを以て為さざること勿かれ」と子に説いた言葉にも通じる考え方である。上に立つ者の一つひとつの振る舞いは、本人が思う以上に周りに影響し、積み重なって組織の命運を左右する。目立たない小さな善を積み、小さな怠りを見逃さないことが、長く続く組織の土台となる。本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。

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