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尚書 / 益稷

帝拜曰:「俞,往欽哉!」

新字:帝拝曰:「兪,往欽哉!」

書き下し

帝拝して曰く、「俞(しか)り、往きて欽まんかな」と。

現代語訳

帝(舜)は拝礼して言った。「そうだ。それぞれ行って、つつしんで務めよ。」

解説

益稷篇の結びの一句である。皐陶が君臣のあり方を歌で戒めたのに対し、帝舜は拝礼して「そうだ」と受け入れ、臣下たちに「行って、つつしんで務めよ」と命じた。ここで注目したいのは、君主である舜が臣下の諫めの歌に対して自ら拝礼していることである。上に立つ者が下からの戒めを敬意をもって受けとめる姿は、君臣が互いに敬い合う理想の朝廷の象徴とされ、儒家はこれを聖王の徳の表れとして尊んだ。また、議論の終わりに「往きて欽め」と簡潔に行動を促すところにも、話し合いを実行につなげる指導者の姿がある。耳の痛い意見にこそ礼を尽くし、それを実行へと結びつけることが、信頼される指導者の条件である。

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