尚書 / 皐陶謨
能哲而惠,何憂乎驩兜?何遷乎有苗?何畏乎巧言令色孔壬?」皋陶曰:「都!亦行有九德,亦言其人有德,乃言曰:載采采。」禹曰:「何?」皋陶曰:
新字:能哲而恵,何憂乎驩兜?何遷乎有苗?何畏乎巧言令色孔壬?」皋陶曰:「都!亦行有九徳,亦言其人有徳,乃言曰:載采采。」禹曰:「何?」皋陶曰:
書き下し
能く哲にして恵ならば、何ぞ驩兜(くわんとう)を憂へん。何ぞ有苗を遷さん。何ぞ巧言令色孔壬(こうじん)を畏れん」と。皐陶曰く、「都(ああ)、亦行ひに九徳有り。亦其の人に徳有りと言ふには、乃ち言ひて曰く、載(こと)を采采(さいさい)すと」と。禹曰く、「何ぞや」と。皐陶曰く、
現代語訳
(人を見抜く)賢明さと(民を安んずる)恵みとをよく兼ね備えていれば、どうして驩兜(かんとう、堯の悪臣)のことを心配する必要があろうか。どうして有苗(ゆうびょう、南方の部族)を遠くへ移す必要があろうか。どうして口先がうまく顔色をつくろう大悪人を恐れる必要があろうか。」皐陶は言った。「ああ、人の行いには九つの徳がある。その人に徳があると言うには、その人が行った事柄を一つ一つ挙げて言うのだ。」禹は言った。「それはどういうことか。」皐陶は言った。
解説
禹が、賢明さと恵みを兼ね備えれば悪臣も反乱も恐れるに足りないと述べ、皐陶が「九徳」を語り始める部分である。「巧言令色孔壬」は、口先がうまく顔色をつくろう大悪人を指し、『論語』の「巧言令色、鮮なし仁」と通じる表現として知られる。人を見抜く明があれば、そうした人物に惑わされることはないというのである。皐陶は続けて、人に徳があるかどうかは、その人の言葉ではなく、実際に行った事柄を具体的に挙げて判断すべきだと説く。この後に、寛にして栗、柔にして立などの九徳が列挙される。人を評価するとき、評判や話しぶりではなく、何を実際にしてきたかを一つ一つ確かめることが大切だという教えは、採用や人事評価の場面でそのまま生きる。
関連する章句
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尚書・皐陶謨厥の常有るを彰(あら)はさば、吉なるかな。日に三徳を宣ぶれば、夙夜浚明にして家を有(たも)つ。日に厳に祗みて六徳を敬すれば、采(こと)を亮(たす)けて邦を有つ。翕(あは)せ受けて九徳を敷き施せば、咸事へて俊乂官に在り、百僚師師として、百工なり。惟れ時五辰に撫(したが)へば、庶績其れ凝(な)る。逸欲を教へて邦を有つこと無かれ。
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史記 夏本紀皋陶曰く、「亦た行に九徳有り、亦た其の徳有るを言はん」と。乃ち言ひて曰く、「寛にして栗、柔にして立、願にして共、治にして敬、擾にして毅、直にして温、簡にして廉、剛にして実、彊にして義なり。其の常有るを章せば、吉なり。翕受普施し、九徳咸事へば、俊乂官に在り、百吏粛謹たり。其の人に非ずして其の官に居るは、是れ天事を乱すと謂ふ」と。
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尚書・皐陶謨寬(ひろ)くして栗(りつ)、柔(やわ)らかにして立ち、愿(げん)にして恭、亂(おさ)めて敬、擾(じゅう)にして毅(き)、直くして溫、簡にして廉、剛にして塞(そく)、彊(きょう)にして義。
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尚書・皐陶謨禹曰く、「吁(ああ)、咸時(かく)の若くするは、惟れ帝も其れ之を難しとす。
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尚書・皐陶謨上下に達す。敬まんかな有土」と。皐陶曰く、「朕が言恵(したが)ひて厎(いた)し行ふべきか」と。禹曰く、「俞(しか)り、乃(なんぢ)の言、績を可(な)すを厎す」と。皐陶曰く、「予未だ知る有らず、思ひて曰に賛賛して襄(たす)けんかな」と。
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尚書・皐陶謨人を知れば則(すなわ)ち哲(てつ)、能(よ)く人を官(かん)にす。民を安んずれば則ち惠(けい)、黎民之(これ)を懷(なつ)く。
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