諸葛亮集 / 前出師表・第六段
親賢臣,遠小人,此先漢所以興隆也;親小人,遠賢臣,此後漢所以傾頹也。先帝在時,每與臣論此事,未嘗不歎息痛恨於桓、靈也。侍中、尚書、長史、參軍,此悉貞亮死節之臣也,願陛下親之信之,則漢室之隆,可計日而待也。
新字:親賢臣,遠小人,此先漢所以興隆也;親小人,遠賢臣,此後漢所以傾頽也。先帝在時,毎与臣論此事,未嘗不嘆息痛恨於桓、霊也。侍中、尚書、長史、参軍,此悉貞亮死節之臣也,願陛下親之信之,則漢室之隆,可計日而待也。
書き下し
賢臣に親しみ、小人を遠ざくるは、此れ先漢の興隆せし所以なり。小人に親しみ、賢臣を遠ざくるは、此れ後漢の傾頽せし所以なり。先帝在りし時、毎に臣と此の事を論じ、未だ嘗て桓・霊に歎息痛恨せずんばあらざるなり。侍中・尚書・長史・参軍は、此れ悉く貞亮にして節に死するの臣なり。願はくは陛下これに親しみこれを信ぜよ。則ち漢室の隆んなること、日を計へて待つべきなり。
現代語訳
賢い臣に親しみ、小人を遠ざけたのが、前漢が興り栄えた理由です。小人に親しみ、賢い臣を遠ざけたのが、後漢が傾き衰えた理由です。先帝がご存命のとき、私とこの話をするたびに、桓帝・霊帝のことで嘆息し、痛恨されなかったことはありませんでした。侍中、尚書、長史、参軍は、みな誠実で、節義のために命を捨てる臣です。どうか陛下には、彼らに親しみ、信頼してください。そうすれば漢室の隆盛は、日を数えて待つほどすぐにやってくるでしょう。
解説
前半は、前漢と後漢の盛衰を対比して、誰を側に置くかが国の興亡を分けると説く、有名な一節です。桓・霊とは後漢末の桓帝と霊帝のことで、宦官を重用して政治を乱した君主として、劉備が嘆いていたと語られます。諸葛亮は、侍中・尚書・長史・参軍といった側近たちを、節義を重んじる臣だと推し、信頼するよう願います。耳に心地よい人ばかりを近くに置くと、組織は静かに傾きます。誰の意見を聞く立場に自分を置くかは、リーダーの最も重要な選択の一つだと教えてくれます。
この章句が説くこと
親賢臣遠小人先漢後漢桓・霊貞亮
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