諸葛亮集 / 前出師表・第四段
侍中、侍郎郭攸之、費禕、董允等,此皆良實,志慮忠純,是以先帝簡拔以遺陛下。愚以爲宮中之事,事無大小,悉以咨之,然後施行,必能裨補闕漏,有所廣益。
新字:侍中、侍郎郭攸之、費禕、董允等,此皆良実,志慮忠純,是以先帝簡抜以遺陛下。愚以為宮中之事,事無大小,悉以咨之,然後施行,必能裨補闕漏,有所広益。
書き下し
侍中・侍郎の郭攸之・費禕・董允らは、此れ皆良実にして、志慮は忠純なり。是を以て先帝簡び拔きて以て陛下に遺せり。愚以為へらく、宮中の事は、事の大小と無く、悉く以て之に咨りて、然る後に施行せば、必ず能く闕漏を裨補し、広益する所有らん。
現代語訳
侍中・侍郎の郭攸之、費禕、董允らは、みな善良で誠実であり、志も思慮も忠義にあつく純粋です。だからこそ先帝は選び抜いて、陛下に遺されたのです。私が思いますに、宮中のことは大小を問わず、すべて彼らに相談してから実行なさるなら、必ず足りないところや抜けを補い、大きな益が得られるでしょう。
解説
郭攸之・費禕・董允は、宮中で後主を支える側近の臣です。諸葛亮は彼らを、善良で誠実、志も思慮も忠義にあつい人物と評し、先帝が選んで遺した人材だと述べます。そのうえで、宮中のことは大小を問わず彼らに相談してから実行するよう勧めます。自分が遠征で不在になる以上、判断の相談相手をあらかじめ指名しておく配慮です。権限を委譲するときは、任せる人の人柄を示し、誰に何を相談するかまで決めておく。後継体制を作る際の、具体的な手本になる一段です。
この章句が説くこと
郭攸之・費禕・董允良実忠純咨る裨補闕漏
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