諸葛亮集 / 前出師表・第二段
誠宜開張聖聽,以光先帝遺德,恢弘志士之氣,不宜妄自菲薄,引喻失義,以塞忠諫之路也。
新字:誠宜開張聖聴,以光先帝遺徳,恢弘志士之気,不宜妄自菲薄,引喩失義,以塞忠諫之路也。
書き下し
誠に宜しく聖聴を開張し、以て先帝の遺徳を光かし、志士の気を恢弘すべし。宜しく妄りに自ら菲薄し、喩へを引きて義を失ひ、以て忠諫の路を塞ぐべからざるなり。
現代語訳
まことに、陛下は広く人の意見に耳を開かれ、それによって先帝が遺された徳を輝かせ、志ある人々の意気を大きく広げられるのがよろしいのです。みだりに自分を卑下して、不適切な例えを引いて道理を見失い、忠義の諫言の道をふさいでしまわれてはなりません。
解説
臣下の意見を広く聞き、自分を卑しめすぎないよう、若い君主に求める一段です。諸葛亮は、聞く姿勢を持てば先帝の徳が輝き、志ある人々の気概も高まると述べています。ここで警戒されているのは、自信を失って卑下するあまり、もっともな意見を封じてしまうことです。現代の職場でも、経験の浅い後継者が「自分には無理だ」と殻にこもれば、耳の痛い助言は届かなくなります。聞く耳を持つことと、自分を卑下しないことは、車の両輪だと読めます。
この章句が説くこと
聖聴遺徳志士の気妄自菲薄忠諫言路
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