証道歌 / 『証道歌』心と法を共に忘れる
真不立。妄本空。有無俱遣不空空。二十空門元不著。一性如來體自同。 心是根。法是塵。兩種猶如鏡上痕。痕垢盡除光始現。心法雙忘性即真。 嗟末法。惡時世。眾生福薄難調制。去聖遠兮邪見深。魔強法弱多怨害。聞說如來頓教門。恨不滅除令瓦碎。
新字:真不立。妄本空。有無倶遣不空空。二十空門元不著。一性如来体自同。 心是根。法是塵。両種猶如鏡上痕。痕垢尽除光始現。心法双忘性即真。 嗟末法。悪時世。衆生福薄難調制。去聖遠兮邪見深。魔強法弱多怨害。聞説如来頓教門。恨不滅除令瓦砕。
書き下し
真も立たず、妄も本と空なり。有無ともに遣りて空ならざるも空なり。二十空門は元より著かず、一性の如来は体自ずから同じ。 心は是れ根、法は是れ塵。両種は猶お鏡上の痕の如し。痕と垢と尽く除けば光始めて現れ、心法双び忘れて性は即ち真なり。 嗟、末法、悪しき時世。衆生は福薄くして調え制し難し。聖を去ること遠く、邪見は深く、魔は強く法は弱くして怨害多し。如来の頓教の門を聞説して、滅除して瓦のごとく砕かしめざるを恨む。
現代語訳
真も立てず、妄ももともと空です。有も無もともに捨て去り、空でないことも空とします。二十の空の門にもとから執着せず、ひとつの本性、如来の本体は自ずから同じです。 心は根であり、法はちりです。この二つは鏡についた痕のようなものです。痕も垢もすっかり取り去れば、光がはじめて現れ、心も法も共に忘れて、本性はそのまま真となります。 ああ、末法の悪い世です。人々は福が薄く、導くのが難しいのです。聖人から遠く離れ、誤った見方は深く、魔は強く法は弱くて、害が多いのです。如来の頓教の門を聞くと、それを滅ぼして瓦のように砕いてしまいたくなると嘆かれます。
解説

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