新書 / 君道
詩曰:「濟濟多士,文王以寧。」言輔翼賢正,則身必已安也。又曰:「弗識弗知,順帝之則。」言士民說其德義,則效而象之也。文王志之所在,意之所欲,百姓不愛其死,不憚其勞,從之如集。詩曰:「經始靈臺」,「庶民攻之,不日成之。經始勿亟,庶民子來。」文王有志爲臺,令近規之。民聞之者麏褁而至,問業而作之,日日以衆。故弗趨而疾,弗期而成。命其臺曰「靈臺」,命其囿曰「靈囿」,謂其沼曰「靈沼」,愛敬之至也。詩曰:「王在靈囿,麀鹿攸伏,麀鹿濯濯,白鳥高高。王在靈沼,於仞魚躍。」文王之澤,下被禽獸,洽于魚鱉,咸若攸樂,而況士民乎?
新字:詩曰:「済済多士,文王以寧。」言輔翼賢正,則身必已安也。又曰:「弗識弗知,順帝之則。」言士民説其徳義,則効而象之也。文王志之所在,意之所欲,百姓不愛其死,不憚其労,従之如集。詩曰:「経始霊台」,「庶民攻之,不日成之。経始勿亟,庶民子来。」文王有志為台,令近規之。民聞之者麏褁而至,問業而作之,日日以衆。故弗趨而疾,弗期而成。命其台曰「霊台」,命其囿曰「霊囿」,謂其沼曰「霊沼」,愛敬之至也。詩曰:「王在霊囿,麀鹿攸伏,麀鹿濯濯,白鳥高高。王在霊沼,於仞魚躍。」文王之沢,下被禽獣,洽于魚鱉,咸若攸楽,而況士民乎?
書き下し
詩に曰く、「済済たる多士、文王以て寧んず」と。賢正を輔翼すれば、則ち身必ず已に安んずるを言う。又曰く、「識らず知らず、帝の則に順う」と。士民其の徳義を説べば、則ち効いて之に象るを言う。文王の志の在る所、意の欲する所、百姓は其の死を愛まず、其の労を憚らず、之に従うこと集まるが如し。詩に曰く、「霊台を経始す」、「庶民之を攻め、日ならずして之を成す。経始すること亟かる勿かれども、庶民子のごとく来る」と。文王志有りて台を為らんとし、近くに之を規らしむ。民之を聞く者麏褁して至り、業を問いて之を作り、日日に衆を以てす。故に趨らずして疾く、期せずして成る。其の台に命けて「霊台」と曰い、其の囿に命けて「霊囿」と曰い、其の沼を謂いて「霊沼」と曰う。愛敬の至りなり。詩に曰く、「王霊囿に在り、麀鹿の伏す攸、麀鹿濯濯として、白鳥高高たり。王霊沼に在り、於仞魚躍る」と。文王の澤、下は禽獣に被り、魚鱉に洽く、咸な若いて楽しむ攸なり。而るを況んや士民をや。
現代語訳
『詩経』に「数多くの立派な士がいて、文王はそれで安らかである」とあります。賢く正しい人々を輔翼として得れば、わが身も必ず安らかになる、という意味です。また「知らず識らずのうちに、天帝の法に従っている」ともあります。士民がその徳義を喜べば、真似をしてそれに倣う、という意味です。文王の志の向かうところ、思いの望むところには、民は命を惜しまず、労苦もいとわず、集まるように従いました。『詩経』にも「霊台を造り始めた」、「庶民がこれを造り、日ならずして完成した。急ぐなと言われたが、庶民は子のように駆けつけた」とあります。文王は志があって台を造ろうとし、近くの者に設計させました。民はこれを聞くと、持ち物をまとめて駆けつけ、仕事を尋ねて取りかかり、日ごとに人数が増えました。そのため、急がなくても速く進み、期日を決めずとも完成しました。その台を「霊台」、庭園を「霊囿」、池を「霊沼」と名づけたのは、愛と敬の極まりです。『詩経』にも「王は霊囿におられ、牝鹿は伏してくつろぎ、牝鹿はつややかで、白い鳥は白く輝く。王は霊沼におられ、ああ満ちた池に魚が躍る」とあります。文王の恵みは、下は鳥獣に及び、魚やすっぽんにまで行きわたって、みな素直に楽しんでいます。まして士民はなおさらです。
解説
この章句が説くこと
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