新書 / 耳痺
君臣乖而不調,置社稷而分裂,容臺振而掩敗,犬羣嗥而入淵,彘銜菹而適奧,燕雀剖而蚖蛇生,食[上艹下(左盃右盧)]菹而蛭口,浴清水而遇蠆。伍子胥見事之不可爲也,何籠而自投水,目抉而珥東門,身鴟夷而浮江。懷賊行逆,深報而殃不辜,禍至乎身矣!越於是果逆謀負約,襲邦剉夫差,兼吳而拊。事濟功成,范蠡負石而蹈五湖,大夫種䋢領謝室,渠如處車裂回泉。自此之後,句踐不樂,憂悲荐至,內崩而死。故天之誅伐,不可爲廣虛幽間,攸遠無人;雖重襲石中而居,其必知之乎。若誅伐順理而當辜,殺三軍而無咎;誅殺不當辜,殺一匹夫,其罪聞皇天。故曰:天之處高,其聽卑;其牧芒,其視察。故凡自行,不可不謹慎也。
新字:君臣乖而不調,置社稷而分裂,容台振而掩敗,犬羣嗥而入淵,彘銜菹而適奥,燕雀剖而蚖蛇生,食[上艹下(左盃右盧)]菹而蛭口,浴清水而遇蠆。伍子胥見事之不可為也,何籠而自投水,目抉而珥東門,身鴟夷而浮江。懐賊行逆,深報而殃不辜,禍至乎身矣!越於是果逆謀負約,襲邦剉夫差,兼呉而拊。事済功成,范蠡負石而蹈五湖,大夫種䋢領謝室,渠如処車裂回泉。自此之後,句践不楽,憂悲荐至,内崩而死。故天之誅伐,不可為広虚幽間,攸遠無人;雖重襲石中而居,其必知之乎。若誅伐順理而当辜,殺三軍而無咎;誅殺不当辜,殺一匹夫,其罪聞皇天。故曰:天之処高,其聴卑;其牧芒,其視察。故凡自行,不可不謹慎也。
書き下し
君臣乖きて調わず、社稷を置きて分裂し、容台振いて掩い敗れ、犬群れ嗥きて淵に入り、彘菹を銜みて奥に適き、燕雀剖けて蚖蛇生じ、[上艹下(左盃右盧)]菹を食らいて口に蛭あり、清水に浴して蠆に遇う。伍子胥事の為す可からざるを見るや、籠に何いて自ら水に投じ、目は抉られて東門に珥され、身は鴟夷にして江に浮かぶ。賊を懐き逆を行い、深く報いて不辜を殃す者は、禍身に至る。越是に於いて果たして謀に逆き約に負き、邦を襲い夫差を剉き、呉を兼ねて拊つ。事済り功成るや、范蠡は石を負いて五湖に蹈み、大夫種は領を䋢ちて室に謝し、渠如は車裂に処りて泉を回す。此より後、句践楽しまず、憂悲荐りに至り、内崩して死す。故に天の誅伐は、広虚幽間、遠くして人無きを為す可からず。重ねて石中に襲りて居ると雖も、其れ必ず之を知らんか。若し誅伐理に順いて辜に当たれば、三軍を殺すも咎無し。誅殺辜に当たらざれば、一匹夫を殺すも、其の罪は皇天に聞こゆ。故に曰く、天の処ること高けれども、其の聴くこと卑し。其の牧すること芒けれども、其の視ること察らかなり、と。故に凡そ自ら行うこと、謹慎せざる可からざるなり。
現代語訳
君臣は食い違って調わず、国家を置き去りにして分裂し、儀礼の台は揺らいで覆われ崩れ、犬は群れて吠えて淵に入り、豚は漬物をくわえて奥の部屋に行き、燕や雀が割かれて蛇が生まれ、(意味の取りにくい)漬物を食べれば口に蛭がつき、清水で浴びれば蠍に出会う、といった不吉な兆しが重なりました。伍子胥は、もはや事を成し得ないと見るや、籠にかかって自ら水に身を投げ、目はえぐられて東門に飾られ、体は革袋に入れられて川に浮かびました。悪意を抱き道理に逆らい、深い報復で罪なき者に災いを及ぼせば、禍は自分の身に至るのです。越はそこで約束に背いて謀をめぐらし、国を襲って夫差を斬り、呉を併合して打ちのめしました。事が成り功がなると、范蠡は石を背負って五湖に身を沈めようとし、大夫の種は襟を切って自害し、渠如は車裂きの刑にあって泉に流されました。それから後、句践は楽しまず、憂いと悲しみがしきりに訪れ、内から衰えて死にました。だから天の誅伐は、広い空き地や暗い隙間、遠く人のいない所を選んで逃れられるものではありません。石の中に重ねて身を隠しても、天は必ず知っています。もし誅伐が道理に従い罪に当たっていれば、三軍を殺しても咎はありません。罪に当たらない殺しなら、たった一人の男でも、その罪は天に聞こえます。だから言います。天は高いところにありながら、聞くのは低い声であり、天の治めるところは広大でありながら、見ることは細やかである、と。だから自分の行いは、慎まなければならないのです。
解説
この章句が説くこと
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『塩鉄論』論菑篇文學曰く、始め江都の相董生、陰陽を推し言う。四時相繼ぎ、父之を生じ、子之を養い、母之を成し、子之を藏む。故に春に生ずるは仁、夏に長ずるは德、秋に成るは義、冬に藏むるは禮なり。此れ四時の序にして、聖人の則る所なり。刑は任じて以て化を成す可からず、故に德教を廣む。遠きを言うには必ず之を邇きに考う、故に內に恕して以て行う。是を以て刑罰は己に加わるが若く、勤勞は身に施さるるが若し。又た安んぞ能く其の赤子を殺すに忍びて、以て無用に事え、恃む所を罷弊して、瀛海に達せんや。蓋し越人は蠃蚌を美として太牢を簡み、鄙夫は咋唶を樂しみて韶濩を怪しむ。故に味を知らざる者は、芬香を以て臭と為し、道を知らざる者は、美言を以て耳を亂すと為す。人に夭壽無く、各々其の好惡を以て命と為す。羿・敖は巧力を以て其の死を得ず、智伯は貪狠を以て其の身を亡ぼす。天菑の證、禎祥の應は、猶お施與の報を望むがごとく、各々其の類を以て及ぶ。故に好んで善を行う者には、天助くるに福を以てす。符瑞是れなり。易に曰く、「天よりして之を佑く、吉にして利ろしからざる無し」と。好んで惡を行う者には、天報ゆるに禍を以てす。妖菑是れなり。春秋に曰く、「是に應じて天菑有り」と。周の文・武は賢を尊び諫めを受け、敬戒して殆らず。純德上く休く、神祇相い況す。詩に云う、「福を降すこと穰穰たり、福を降すこと簡簡たり」と。日は陽なり、陽の道は明るし。月は陰なり、陰の道は冥し。君尊く臣卑しきの義なり。故に陽光上に盛んなれば、眾陰の類は下に消え、月天に望なれば、蚌蛤は淵に盛んなり。故に臣にして臣たらざれば、則ち陰陽調わず、日月に變有り。政教均しからざれば、則ち水旱時ならず、螟螣生ず。此れ災異の應なり。四時代わる代わる敘でて、人は其の功に則り、星は天に列なりて、人は其の行に象る。常星は猶お公卿のごときなり、眾星は猶お萬民のごときなり。列星正しければ則ち眾星齊しく、常星亂るれば則ち眾星墜つ。
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