新書 / 耳痺
子胥發鬱冒忿,輔闔閭而行大虐。還十五年,闔閭沒而夫差即位,乃與越人戰江上,棲之會稽。越王之窮至乎喫山草,飲腑水,易子而食。於是履甓戴璧,號唫告毋罪,呼皇天,使大夫種行成於吳王,吳王將許,子胥曰:「不可!越國之俗,勤勞而不慍,好亂而無禮,谿徼而輕絕,好詛而倍盟。放此類者,鳥獸之儕徒,狐狸之醜類也,生之爲患,殺之無咎,請無與成。」大夫種拊心嗥啼,沫泣而言信,割白馬而爲牲,指九天而爲證,請婦人爲妾,大夫爲臣,百世名寶因閒官爲積,孤身爲關內諸侯,世爲忠臣。吳王不忍,縮師與成。還,謀而伐齊,子胥進爭不聽,忠言不用。越既得成,稱善累德,以求民心。於是上帝降禍,絕吳命乎直江。
新字:子胥発鬱冒忿,輔闔閭而行大虐。還十五年,闔閭没而夫差即位,乃与越人戦江上,棲之会稽。越王之窮至乎喫山草,飲腑水,易子而食。於是履甓戴璧,号唫告毋罪,呼皇天,使大夫種行成於呉王,呉王将許,子胥曰:「不可!越国之俗,勤労而不慍,好乱而無礼,谿徼而軽絶,好詛而倍盟。放此類者,鳥獣之儕徒,狐狸之醜類也,生之為患,殺之無咎,請無与成。」大夫種拊心嗥啼,沫泣而言信,割白馬而為牲,指九天而為証,請婦人為妾,大夫為臣,百世名宝因閒官為積,孤身為関内諸侯,世為忠臣。呉王不忍,縮師与成。還,謀而伐斉,子胥進争不聴,忠言不用。越既得成,称善累徳,以求民心。於是上帝降禍,絶呉命乎直江。
書き下し
子胥鬱を発し忿を冒し、闔閭を輔けて大虐を行う。還ること十五年、闔閭没して夫差位に即き、乃ち越人と江上に戦い、之を会稽に棲ましむ。越王の窮まること山草を喫い、腑水を飲み、子を易えて食らうに至る。是に於いて甓を履み璧を戴き、号唫して罪無きを告げ、皇天を呼び、大夫種をして成を呉王に行わしむ。呉王将に許さんとす。子胥曰く、「不可なり。越国の俗は、勤労して慍らず、乱を好みて礼無く、谿徼にして絶つことを軽んじ、詛うことを好みて盟に倍く。此の類に放う者は、鳥獣の儕徒、狐狸の醜類なり。之を生かせば患いを為し、之を殺して咎無し。請う与に成す無かれ」と。大夫種心を拊ち嗥啼し、沫泣して信を言い、白馬を割きて牲と為し、九天を指して証と為し、婦人を請いて妾と為し、大夫を臣と為し、百世の名宝は閒官に因りて積むと為し、孤身を関内の諸侯と為し、世々忠臣たらんと請う。呉王忍びず、師を縮めて与に成す。還りて、謀りて斉を伐つ。子胥進みて争うも聴かれず、忠言用いられず。越既に成を得て、善を称し徳を累ね、以て民心を求む。是に於いて上帝禍を降し、呉の命を直江に絶つ。
現代語訳
子胥は鬱屈を晴らし怒りをぶつけて、闔閭を助け、大きな暴虐をはたらきました。それから十五年、闔閭が亡くなって夫差が位に即き、越の人々と川のほとりで戦って、彼らを会稽山に追い込みました。越王の窮状は、山の草を食べ、溜まり水を飲み、子を取り替えて食べるほどでした。そこで越王は瓦を踏み玉を戴いて、声を上げて罪のないことを訴え、天を呼び、大夫の種を使いに立てて呉王に和睦を請わせました。呉王が許そうとしたとき、子胥は言いました。「いけません。越の国の風俗は、苦労しても怒らず、乱を好んで礼がなく、狡猾で約束を断つことを軽んじ、呪うことを好んで盟約に背きます。こうした者たちは鳥獣の仲間、狐や狸の類です。生かせば災いとなり、殺して咎められることはありません。どうか和睦なさいませぬよう」と。大夫の種は胸を打って泣き叫び、涙を流して誠意を述べ、白馬を裂いて犠牲とし、九天を指して証とし、妻女を差し出して妾とし、大夫を臣下とし、代々の名宝を官に積み、わが身は関内の諸侯となって、代々忠臣となると請いました。呉王は忍びず、軍を引いて和睦しました。帰国すると、斉を討つ計画を立てました。子胥は進み出て諫めましたが聞き入れられず、忠言は用いられませんでした。越は和睦を得ると、善を称え徳を重ねて、民心を得ようとしました。そこで上帝が禍を降し、呉の命運は直江のほとりで絶たれました。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『春秋左氏伝』僖公十五年 韓原の戦い壬戌、韓原に戰ふ。晉の戎馬濘に還りて止まる。公慶鄭を號ぶ。慶鄭曰く、「諫に愎り卜に違ふ、固より敗を是れ求む、又何ぞ逃れん」と。遂に之を去る。梁由靡韓簡を御し、虢射右と為り、秦伯を輅へ、將に之を止めんとす。鄭公を救ふを以て之を誤らしめ、遂に秦伯を失ふ。秦晉侯を獲て以て歸る。晉の大夫首を反し舍を拔きて、之に從ふ。秦伯使ひして辭せしめて曰く、「二三子何ぞ其れ慼へるや。寡人の君に從ひて西するや、亦た晉の妖夢を是れ踐むのみ、豈に敢へて以て至らんや」と。晉の大夫三拜稽首して曰く、「君は后土を履みて皇天を戴く。皇天后土、實に君の言を聞く、群臣敢へて下風に在らん」と。穆姬晉侯の將に至らんとするを聞き、大子罃・弘と女簡・璧とを以て、臺に登りて薪を履む。免服衰絰を以て逆へしめ、且つ告げしめて曰く、「上天災を降し、我が兩君をして玉帛を以て相見えずして、戎を興すを以てせしむ。若し晉君朝に以て入らば、則ち婢子夕べに以て死せん。夕べに以て入らば、則ち朝に以て死せん。唯だ君之を裁け」と。乃ち諸を靈臺に舍らしむ。
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葉隠・聞書第一諫言(かんげん)の道に、我(われ)其の位(くらい)にあらずば、其の位の人に言はせて、御誤(おあやまり)直(なお)る様にするが大忠(たいちゅう)なり。此の階(かい)の為に諸人(しょにん)と懇意(こんい)する所なり。我が為にすれば追従(ついしょう)なり。一方(いっぽう)は我等(われら)荷(にな)ひ申す心入(こころいれ)からなり。成程(なるほど)なるものなり。
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史記 宋微子世家微子開は、殷の帝乙の首子にして帝紂の庶兄なり。紂既に立ち、明らかならず、政に淫乱す。微子数々諫むるも、紂聴かず。祖伊周の西伯昌の徳を修め、黎国を滅ぼすを以て、禍の至らんことを懼れ、以て紂に告ぐるに及ぶ。紂曰く、「我が生は命天に在る有らずや。是れ何をか能く為さん」と。是に於て微子、紂の終に諫むべからざるを度り、之に死せんと欲し、及び去らんとするも、未だ自ら決すること能はず。乃ち太師・少師に問ひて曰く、「殷は治政有らず、四方を治めず。我が祖遂に上に陳ぶ。紂酒に沈湎し、婦人是れ用ひ、湯の徳を下に乱敗す。殷既に小大好んで草窃姦宄し、卿士師師度に非ず、皆罪辜有り、乃ち維れ獲ること无し。小民乃ち并び興り、相敵讎と為る。今殷其れ典喪へり。水を渉るに津涯无きが若し。殷遂に喪ひ、越に今に至る」と。曰く、「太師、少師、我其れ発して出で往かんか。吾が家喪に保たんか。今女故无くして予に告ぐ。顛躋(てんせい)せば、之を如何せん」と。太師若(かく)のごとく曰く、「王子、天篤く菑(わざはひ)を下して殷国を亡ぼす。乃ち畏るべきを畏れず、老長を用ひず。今殷の民乃ち神祇の祀を陋淫す。今誠に国を治むるを得ば、国治まりて身死すとも恨みず。死を為して、終に治むるを得ずんば、去るに如かず」と。遂に亡ぐ。箕子は、紂の親戚なり。紂始めて象箸を為る。箕子嘆じて曰く、「彼象箸を為らば、必ず玉桮を為らん。桮を為らば、則ち必ず遠方の珍怪の物を思ひて之を御せん。輿馬宮室の漸、此より始まり、振ふべからず」と。紂淫泆を為す。箕子諫むるも、聴かず。人或いは曰く、「以て去るべし」と。箕子曰く、「人臣為りて諫めて聴かれずして去るは、是れ君の悪を彰らかにして自ら民に説(よろこ)ばるるなり。吾為すに忍びざるなり」と。乃ち髪を被り詳狂して奴と為る。遂に隠れて琴を鼓きて以て自ら悲しむ。故に之を伝へて箕子操と曰ふ。王子比干は、亦た紂の親戚なり。
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史記 季布欒布列伝中郎将と為る。単于嘗て書を為りて呂后を嫚り、不遜なり、呂后大いに怒り、諸将を召して之を議す。上将軍樊噲曰く「臣願はくは十万の衆を得て、匈奴の中に横行せん」と。諸将皆呂后の意に阿り、「然り」と曰ふ。季布曰く「樊噲斬るべきなり。夫れ高帝兵四十余万の衆を将ゐて、平城に困しむ、今噲柰何ぞ十万の衆を以て匈奴の中に横行せんとするは、面欺なり。且つ秦胡に事とするを以て、陳勝等起こる。今に于て創痍未だ瘳えず、噲又面諛し、天下を揺動せんと欲す」と。是の時殿上皆恐れ、太后朝を罷め、遂に復た匈奴を撃つ事を議せず。
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史記 楽書上は朝廷より、下は人民に至るまで、以て歓喜を接し、殷勤を合するを得、此の和説に非ずんば通ぜず、解沢流れず、亦各々一世の化、時を度るの楽なり、何ぞ必ずしも華山の騄耳にして而る後に遠きを行かんや」と。二世之を然りとす。高祖、沛を過りて三侯の章を詩し、小児をして之を歌はしむ。高祖崩じ、沛をして四時に宗廟に歌舞するを得しむ。孝恵・孝文・孝景は増更する所無く、楽府に於いて常を習ひ旧を肄ふのみ。今上即位するに至り、十九章を作り、侍中李延年をして其の声を次序せしめ、拝して協律都尉と為す。一経に通ずるの士も独り其の辞を知る能はず、皆五経の家を集会し、相与に共に講習して之を読み、乃ち能く其の意を通知す、多く爾雅の文なり。漢家常に正月上辛を以て太一を甘泉に祠り、昏時を以て夜祠り、明に到りて終はる。常に流星の祠壇の上を経る有り。僮男僮女七十人をして俱に歌はしむ。春は青陽を歌ひ、夏は朱明を歌ひ、秋は西暤を歌ひ、冬は玄冥を歌ふ。世に多く有り、故に論ぜず。又嘗て神馬を渥洼の水中に得て、復た次して以て太一の歌と為す。歌曲に曰く、「太一貢ぎて天馬下る、赤汗に霑ひて沫赭を流す。騁せて容与として万里を跇ゆ、今安んぞ匹せん、龍を友と為す」と。後に大宛を伐ちて千里の馬を得、馬の名は蒲梢、次して作りて以て歌と為す。歌詩に曰く、「天馬来たる、西極よりす。万里を経て有徳に帰す。霊威を承けて外国を降し、流沙を渉りて四夷服す」と。中尉汲黯進みて曰く、「凡そ王者の楽を作るは、上は以て祖宗を承け、下は以て兆民を化す。今陛下馬を得て、詩して以て歌と為し、宗廟に協す、先帝百姓豈に能く其の音を知らんや」と。上黙然として説ばず。丞相公孫弘曰く、「黯は聖制を誹謗す、当に族すべし」と。凡そ音の起こるは、人心より生ずるなり。人心の動くは、物之をして然らしむるなり。
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『十善法語』巻第十・不邪見戒之上又喩ヘテ云ハ。賢君明主ハ忠臣ヲ信任シ。諫言ヲ用ル如クシヤ。漢ノ高祖カ諫ニ従フコト流ノ如ク。唐ノ太宗ノ魏徴カ苦諫ノ言ヲ用ヒアリシ類。ソノ如ク。正法ノ因縁アル者ハ必ス不邪見戒ニ随順スルシヤ。此ニ反シテ宿福ナキ者ハ。智者モ愚者モ。学者モ不学者モ仏アルコトヲ信セヌ。法アルコトヲ信セヌ。聖賢アルコトヲ信セヌ。神祇有コトヲ信セヌ。善悪報応有コトヲ信セヌシヤ。
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