導師導古典を学びたいすべての人に

弁名 / 天命帝鬼神

天不待解。人所皆知也。望之蒼蒼然。冥冥乎不可得而測之。日月星辰繫焉。風雨寒暑行焉。萬物所受命。而百神之宗者也。至尊無比。莫能踰而上之者。故自古聖帝明王皆法天而治天下。奉天道以行其政敎。是以聖人之道。六經所載。皆莫不歸乎敬天者焉。是聖門第一義也。學者先識斯義。而後聖人之道可得而言已。

新字:天不待解。人所皆知也。望之蒼蒼然。冥冥乎不可得而測之。日月星辰繋焉。風雨寒暑行焉。万物所受命。而百神之宗者也。至尊無比。莫能踰而上之者。故自古聖帝明王皆法天而治天下。奉天道以行其政教。是以聖人之道。六経所載。皆莫不帰乎敬天者焉。是聖門第一義也。学者先識斯義。而後聖人之道可得而言已。

書き下し

天は解を待たず。人の皆知る所なり。之を望めば蒼蒼然として、冥冥乎として得て測るべからず。日月星辰焉に繋り、風雨寒暑焉に行はる。万物の命を受くる所にして、百神の宗なる者なり。至尊にして比無く、能く踰えて之に上る者莫し。故に古より聖帝明王、皆天に法りて天下を治め、天道を奉じて以て其の政教を行ふ。是を以て聖人の道、六経の載する所、皆敬天に帰せざる者莫し。是れ聖門の第一義なり。学者先づ斯の義を識りて、而る後に聖人の道得て言ふべきのみ。

現代語訳

天は説明を待つまでもない。誰もが知っているものである。仰ぎ見れば青々として果てしなく、奥深くて測り知ることができない。日月星辰はそこに掛かり、風雨寒暑はそこに巡る。万物が命を受けるところであり、あらゆる神々の宗主である。この上なく尊く比べるものがなく、それを越えて上に立つものはない。だから昔から聖帝明王はみな天に法って天下を治め、天道を奉じてその政治と教化を行った。そこで聖人の道も、六経に記されていることも、すべて天を敬うことに帰着しないものはない。これが聖人の門の第一義である。学ぶ者はまずこの意義を知って、そのあとではじめて聖人の道を語ることができる。

解説

卷下「天命帝鬼神」の章の冒頭である。徂徠は天を定義しようとしない。天は誰もが仰ぎ見て知っており、しかも測り知れないものだからである。聖王は天に法って治め、六経はすべて敬天に帰するとし、これを「聖門の第一義」と据える。天を理として説明し尽くす朱子学への批判がここから始まる。人の力の及ばないものを畏れる感覚は、現代の組織でも欠かせない。市場や顧客、時代の流れを自分の理屈で分かったつもりになると、判断は傲慢になる。まず測り知れないものを敬うことが、学びと仕事の出発点なのである。

この章句が説くこと

天敬天聖人六経先王天道

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る