新書 / 春秋
孫叔敖之爲嬰兒也,出遊而還,憂而不食,其母問其故。泣而對曰:「今日吾見兩頭蛇,恐去死無日矣。」其母曰:「今蛇安在?」曰:「吾聞見兩頭蛇者死,吾恐他人又見,吾已埋之也。」其母曰:「無憂,汝不死。吾聞之,有陰德者,天報以福。」人聞之,皆諭其能仁也。及爲令尹,未治而國人信之。
新字:孫叔敖之為嬰児也,出遊而還,憂而不食,其母問其故。泣而対曰:「今日吾見両頭蛇,恐去死無日矣。」其母曰:「今蛇安在?」曰:「吾聞見両頭蛇者死,吾恐他人又見,吾已埋之也。」其母曰:「無憂,汝不死。吾聞之,有陰徳者,天報以福。」人聞之,皆諭其能仁也。及為令尹,未治而国人信之。
書き下し
孫叔敖の嬰児為るや、出遊して還り、憂いて食らわず。其の母其の故を問う。泣きて対えて曰く、「今日吾両頭の蛇を見たり。恐らくは死に去ること日無からん」と。其の母曰く、「今蛇は安くにか在る」と。曰く、「吾聞く、両頭の蛇を見る者は死すと。吾他人の又た見んことを恐れ、吾已に之を埋めたり」と。其の母曰く、「憂うること無かれ。汝は死せず。吾之を聞く、陰徳有る者は、天報ゆるに福を以てすと」と。人之を聞き、皆な其の能く仁なるを諭る。令尹と為るに及びて、未だ治めざるに国人之を信ず。
現代語訳
孫叔敖は子供のころ、外で遊んで帰ってくると、憂えて食事をとりませんでした。母がその理由を尋ねると、泣きながら答えました。「今日、頭が二つある蛇を見ました。私はおそらく、もうすぐ死ぬでしょう」。母は言いました。「その蛇は今どこにいるの」。孫叔敖は言いました。「頭が二つある蛇を見た者は死ぬと聞きました。ほかの人がまた見るといけないので、私はもう埋めてしまいました」。母は言いました。「心配しなくていいのよ。あなたは死なない。私はこう聞いています。陰徳のある者には、天が福で報いる、と」。人々はこれを聞いて、みな彼がよく仁であることを知りました。令尹になるに及び、まだ政を行わないうちに、国の人々は彼を信じました。
解説
この章句が説くこと
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