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新書 / 保傅

及秦而不然,其俗固非貴辭讓也,所上者告訏也;固非貴禮義也,所上者刑罰也。使趙高傅胡亥而教之獄,所習者非斬劓人,則夷人之三族也。故今日即位,明日射人,忠諫者謂之誹謗,深爲之計者謂之妖言,其視殺人若艾草菅然。豈胡亥之性惡哉?其所以集道之者非理故也。

新字:及秦而不然,其俗固非貴辞譲也,所上者告訏也;固非貴礼義也,所上者刑罰也。使趙高傅胡亥而教之獄,所習者非斬劓人,則夷人之三族也。故今日即位,明日射人,忠諫者謂之誹謗,深為之計者謂之妖言,其視殺人若艾草菅然。豈胡亥之性悪哉?其所以集道之者非理故也。

書き下し

秦に及びて然らず、其の俗は固より辞譲を貴ぶに非ず、上ぶ所は告訏なり。固より礼義を貴ぶに非ず、上ぶ所は刑罰なり。趙高をして胡亥に傅きて之に獄を教えしめ、習う所は人を斬劓するに非ざれば、則ち人の三族を夷するなり。故に今日位に即き、明日人を射、忠諫する者は之を誹謗と謂い、深く之が為に計る者は之を妖言と謂い、其の人を殺すを視ること艾草菅の若く然り。豈に胡亥の性悪ならんや。其の之を集め道く所以の者、理に非ざる故なり。

現代語訳

秦に至ると、そうではありませんでした。その風俗はもともと辞退や謙譲を貴ぶものではなく、尊ぶのは告げ口でした。礼義を貴ぶものでもなく、尊ぶのは刑罰でした。趙高が胡亥の傅となって獄の取り調べを教え、習うものは人を斬り鼻を削ぐことでなければ、人の三族を滅ぼすことでした。だから即位した今日に、明日には人を射、忠義の諫めをする者を誹謗と呼び、深く彼のために計る者を妖言と呼び、人を殺すのを草を刈るかのように見ていました。どうして胡亥の生まれつきが悪かったのでしょうか。彼を導き集めた環境が道理に外れていたからです。

解説

前の段の殷周に対し、秦の教育の実態を示す対比の段です。辞譲と礼義を貴ぶ代わりに、告げ口と刑罰を貴ぶ風俗の中で、趙高が胡亥に獄の取り調べを教えたと述べます。結果として、忠諫が誹謗、深い計りが妖言と呼ばれ、人を殺すのが草を刈るように軽くなったという流れは、教えられたものが行動を決める因果をたどっています。賈誼の結論は、胡亥の性が悪いのではなく、導いた環境が理に外れていたという点にあります。前段の「人の性は大差ない」と呼応します。会社でも、成績や数字だけを尊ぶ上司の下で育った後継者は、その価値観を自然に受け継ぎます。個人の資質を責める前に、誰が何を教えたかを遡る姿勢が、承継の失敗を防ぐ手がかりです。

この章句が説くこと

環境趙高胡亥忠諫承継新書

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