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新書 / 保傅

及太子既冠成人,免於保傅之嚴,則有司直之史,有徹膳之宰。太子有過,史必書之,史之義,不得書過則死;過書而宰收其膳,宰之義,不得收膳即死。於是有進善之旌,有誹謗之木,有敢諫之鼓,瞽史誦詩,工誦箴諫,大夫進謀,士傅民語。習與智長,故切而不愧;化與心成,故中道若性。是殷周之所以長有道也。三代之禮:天子春朝朝日,秋幕夕月,所以明有敬也;春秋入學,坐國老,執醬而親饋之,所以明有孝也;行以鸞和,步中采薺,趨中肆夏,所以明有度也;其於禽獸也,見其生不忍其死,聞其聲不嘗其肉,故遠庖廚,所以長恩,且明有仁也。食以禮,收以樂。失度,則史書之,工誦之,三公進而讀之,宰夫減其膳,是天子不得爲非也。

新字:及太子既冠成人,免於保傅之厳,則有司直之史,有徹膳之宰。太子有過,史必書之,史之義,不得書過則死;過書而宰収其膳,宰之義,不得収膳即死。於是有進善之旌,有誹謗之木,有敢諫之鼓,瞽史誦詩,工誦箴諫,大夫進謀,士傅民語。習与智長,故切而不愧;化与心成,故中道若性。是殷周之所以長有道也。三代之礼:天子春朝朝日,秋幕夕月,所以明有敬也;春秋入学,坐国老,執醬而親饋之,所以明有孝也;行以鸞和,歩中采薺,趨中肆夏,所以明有度也;其於禽獣也,見其生不忍其死,聞其声不嘗其肉,故遠庖廚,所以長恩,且明有仁也。食以礼,収以楽。失度,則史書之,工誦之,三公進而読之,宰夫減其膳,是天子不得為非也。

書き下し

太子既に冠して成人し、保傅の厳を免るるに及べば、則ち司直の史有り、徹膳の宰有り。太子に過ち有れば、史必ず之を書し、史の義、過ちを書するを得ざれば則ち死す。過ち書さるれば宰其の膳を収め、宰の義、膳を収むるを得ざれば即ち死す。是に於いて進善の旌有り、誹謗の木有り、敢諫の鼓有り、瞽史は詩を誦し、工は箴諫を誦し、大夫は謀を進め、士は民語を伝う。習いて智と長じ、故に切にして愧じず。化して心と成り、故に中道なること性の若し。是れ殷周の長く道有る所以なり。三代の礼︰天子は春に朝して日を朝し、秋に幕して月を夕す、敬有るを明らかにする所以なり。春秋に学に入り、国老を坐せしめ、醤を執りて親ら之に饋す、孝有るを明らかにする所以なり。行くに鸞和を以てし、歩むに采薺に中り、趨るに肆夏に中る、度有るを明らかにする所以なり。其の禽獣に於けるや、其の生を見ては其の死を忍びず、其の声を聞いては其の肉を嘗めず、故に庖厨を遠ざく、恩を長じ、且つ仁有るを明らかにする所以なり。食には礼を以てし、収むるには楽を以てす。度を失えば、則ち史之を書し、工之を誦し、三公進みて之を読み、宰夫其の膳を減ず、是れ天子の非を為すを得ざるなり。

現代語訳

太子が元服して成人し、保傅の厳しい指導から離れる頃になると、過ちを正す記録官(史)と、食膳を下げる料理長(宰)がつきます。太子に過ちがあれば、史は必ずこれを書き記し、史の務めとして、過ちを書かなければ死にます。過ちが書かれれば、宰は食膳を引き、宰の務めとして、膳を引かなければ死にます。さらに、善を勧める旗、誹謗を書く木、敢えて諫める鼓があり、盲目の楽師や史官が詩を誦し、楽官が戒めの言葉を誦し、大夫が謀を進め、士が民の言葉を伝えます。習慣が知恵とともに育つので、厳しく言われても恥じず、教化が心に成るので、中庸を守ることが性のようになります。これが殷周が長く道を保てた理由です。三代の礼では、天子は春に朝に日を拝し、秋に夕に月を拝し、敬いがあることを示しました。春秋に学に入り、国老を座らせ、肉醤を自ら捧げ、孝があることを示しました。行くときは鸞や和の鈴を鳴らし、歩みは采薺の曲に合わせ、小走りは肆夏の曲に合わせ、節度があることを示しました。禽獣に対しては、その生きている姿を見たら死ぬのを忍びず、その声を聞いたら肉を食べず、だから台所を遠ざけ、恩を養い、仁があることを示しました。食には礼を用い、片付けには楽を用います。度を失えば、史がこれを書き、楽官がこれを誦し、三公が進み出て読み、宰夫が膳を減らす、これで天子は過ちを犯せないのです。

解説

成人した太子に過ちを正す仕組みを、制度として具体的に述べる段です。史が過ちを書き、宰が膳を下げる、旗や木や鼓などの諫言の道具が整うという構造は、個人の自制に頼らず、仕組みで過ちを見える化し、結果に結びつけています。しかも書かなければ史が死ぬという厳しさで、記録の中立性を担保する設計です。ここでの核心は「習いて智と長じ、故に切にして愧じず」にあり、鍛えられた者は指摘を恥と思わない、という指摘です。後半の三代の礼は、日常の儀礼が敬・孝・度・仁を体現する教育でもあることを示します。組織のトップほど、誰が過ちを記録し、誰が結果を伝えるかの制度を整えておく意義があります。耳の痛い情報が上がる回路は、個人の度量ではなく仕組みで守るものです。

この章句が説くこと

諫言記録仕組み三代の礼自制新書

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