新書 / 匈奴
夫關市者,固匈奴所犯滑而深求也,願上遣使厚與之和,以不得已許之大市。使者反,因於要險之所,多爲鑿開,衆而延之,關吏卒使足以自守。大每一關,屠沽者、賣飯食者,羹臛膹炙者,每物各一二百人,則胡人著於長城下矣。是王將彊北之,必攻其王矣。以匈奴之饑,飯羹啗膹炙,喗𣿧多飲酒,此則亡竭可立待也。賜大而愈饑,財盡而愈困,漢者所希心而慕也。匈奴貴人,以其千人至者,顯其二三;以其萬人至者,顯其十餘人。夫顯榮者,招民之機也。故遠期五歲,近期三年之內,匈奴亡矣。此謂德勝。
新字:夫関市者,固匈奴所犯滑而深求也,願上遣使厚与之和,以不得已許之大市。使者反,因於要険之所,多為鑿開,衆而延之,関吏卒使足以自守。大毎一関,屠沽者、売飯食者,羹臛膹炙者,毎物各一二百人,則胡人著於長城下矣。是王将彊北之,必攻其王矣。以匈奴之饑,飯羹啗膹炙,喗𣿧多飲酒,此則亡竭可立待也。賜大而愈饑,財尽而愈困,漢者所希心而慕也。匈奴貴人,以其千人至者,顕其二三;以其万人至者,顕其十余人。夫顕栄者,招民之機也。故遠期五歳,近期三年之内,匈奴亡矣。此謂徳勝。
書き下し
夫れ関市は、固より匈奴の犯滑して深く求むる所なり、願わくは上、使いを遣わして厚く之と和し、已むを得ざるを以て之に大市を許せ。使者反らば、要険の所に因りて、多く鑿開を為し、衆くして之を延ばし、関の吏卒をして以て自ら守るに足らしめよ。大いに一関ごとに、屠沽する者、飯食を売る者、羹臛膹炙する者、物ごとに各おの一二百人あらば、則ち胡人は長城の下に著かん。是れ王将に之を彊北せんとし、必ず其の王を攻めん。匈奴の饑うるを以て、飯し羹し膹炙を啗い、喗𣿧して多く酒を飲まば、此れ則ち亡竭立ちどころに待つ可し。賜うこと大にして愈いよ饑え、財尽きて愈いよ困しみ、漢は希心して慕う所なり。匈奴の貴人、其の千人を以て至る者は、其の二三を顕し、其の万人を以て至る者は、其の十余人を顕す。夫れ顕栄は、民を招く機なり。故に遠くは五歳を期し、近くは三年の内に、匈奴亡びん。此れを徳勝と謂う。
現代語訳
さて、関所の市は、もとより匈奴が侵し、深く求めてくるものです。どうか上は使いを遣わして厚く和睦し、やむを得ない形で大きな市を許可してください。使者が戻ったら、要害の地に多くの開口部を設け、人を多くして延ばし、関所の役人や兵が自ら守るのに十分なようにします。大きな関ごとに、屠殺する者、飲食を売る者、汁物や焼き肉を出す者などを、品目ごとに一、二百人ずつ置けば、胡人は長城の下に居着くでしょう。これは王が彼らを北へ追いやろうとするのであり、必ずその王を攻めることになります。匈奴が飢えている状態で、飯を食い汁をすすり焼き肉を口にし、多く酒を飲めば、滅びと枯渇は立ちどころに待てます。賜うことが大きいほど飢えは増し、財が尽きるほど困窮は深まり、漢は彼らが心から慕う所となります。匈奴の貴人は、千人を連れて来る者なら二、三人を、万人を連れて来る者なら十数人を顕彰します。顕彰と栄誉は民を招く機です。だから遠くとも五年、近ければ三年のうちに、匈奴は亡びるでしょう。これを「徳による勝利」と言います。
解説
この章句が説くこと
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