新書 / 匈奴
令此其居處樂虞,囷京之畜,畜皆過其故王,慮出其單于或,時時賜此而爲家耳。匈奴一國傾心而冀,人人忣忣惟恐其後來至也,將以此壞其腹,一餌。於來降者,上必時時而有所召幸,拊循而後得入官。夫胡大人難親也,若上於胡嬰兒召貴人子好可愛者,上必召幸大數十人,爲此繡衣好閼,且出則從,居則更侍。上即饗胡人也,大觳抵也,客胡使也,力士、武士固近侍旁,胡嬰兒得近侍側,故貴人更進得佐酒前,上乃幸自御此薄,使付酒錢,時人偶之。爲間則出繡衣,具帶服賓餘,時以賜之。上即幸拊胡嬰兒,擣遒之,戲弄之,乃授炙幸自啗之,出好衣,閑且自爲贛之。上起,胡嬰兒或前或後,胡貴人既得奉酒,出則服衣佩綬,貴人而立於前,令數人得此而居耳。
新字:令此其居処楽虞,囷京之畜,畜皆過其故王,慮出其単于或,時時賜此而為家耳。匈奴一国傾心而冀,人人忣忣惟恐其後来至也,将以此壊其腹,一餌。於来降者,上必時時而有所召幸,拊循而後得入官。夫胡大人難親也,若上於胡嬰児召貴人子好可愛者,上必召幸大数十人,為此繍衣好閼,且出則従,居則更侍。上即饗胡人也,大觳抵也,客胡使也,力士、武士固近侍旁,胡嬰児得近侍側,故貴人更進得佐酒前,上乃幸自御此薄,使付酒銭,時人偶之。為間則出繍衣,具帯服賓余,時以賜之。上即幸拊胡嬰児,擣遒之,戯弄之,乃授炙幸自啗之,出好衣,閑且自為贛之。上起,胡嬰児或前或後,胡貴人既得奉酒,出則服衣佩綬,貴人而立於前,令数人得此而居耳。
書き下し
此をして其の居処楽虞し、囷京の畜、畜は皆な其の故王に過ぎ、慮るに其の単于に出づる或いは、時時此を賜いて家と為すのみ。匈奴の一国心を傾けて冀い、人人忣忣として其の後れて来至するを惟れ恐る、将に此を以て其の腹を壊らんとす、一餌なり。来降する者に於いては、上必ず時時にして召幸する所有り、拊循して後に官に入るを得。夫れ胡の大人は親しみ難し、若し上、胡の嬰児に於いて貴人の子の好く愛す可き者を召さば、上必ず召幸すること大数十人、此が為に繍衣好閼し、且つ出ずれば則ち従い、居れば則ち更ごも侍す。上即ち胡人を饗する、大觳抵する、胡使を客する、力士、武士固より近く旁に侍し、胡の嬰児は側に近侍するを得、故に貴人更ごも進みて酒を佐くるを前に得、上乃ち幸いに自ら此の薄を御し、酒銭を付せしめ、時の人之に偶す。間を為せば則ち繍衣を出だし、帯服賓餘を具え、時に以て之に賜う。上即ち幸いに胡の嬰児を拊し、擣遒し、之を戯弄し、乃ち炙を授けて幸いに自ら之を啗らい、好衣を出だし、閑にして且つ自ら之を贛う。上起つや、胡の嬰児或いは前し或いは後し、胡の貴人既に酒を奉ずるを得て、出ずれば則ち衣を服し綬を佩び、貴人にして前に立つ、数人をして此を得て居らしむるのみ。
現代語訳
その者の住まいを楽しく安らかなものにし、穀倉の蓄えも家畜も、どれも元の王を上回るようにし、思うに単于の出身の者があれば、折々これを賜って家を成させるのです。匈奴の一国が心を傾けて願い、人々は急いで、後れて来るのをただ恐れ、これで彼らの腹を駄目にします。これが一つの餌です。降って来た者に対しては、上は必ず折々に召して寵遇し、なだめ慰撫してから官に入らせます。さて、胡の大人は親しみにくいものです。もし上が胡の幼い子らのうち、貴人の子でかわいらしい者を召すなら、上は必ず数十人ほども召し出し、その者たちのために刺繍の衣を整え、外出すれば従わせ、居れば代わる代わる侍らせます。上が胡人をもてなす宴、大角力の催し、胡使を客として迎える席には、力士や武士がもとより傍らに近侍し、胡の幼い子らも側に近く仕えます。そこで貴人も代わる代わる進み出て酒の相手を前でつとめ、上はそこで自らこの薄(酒肴)を取りしきり、酒代を支払わせ、当時の人たちが彼らの相手をします。暇なときは刺繍の衣を出し、帯や服や賓客用の余分の品を整え、折々それを賜うのです。上は胡の幼い子を撫で、軽く抱き、戯れ、焼き肉を渡して自ら食べさせ、よい衣を出し、静かなときに自分で与えます。上が席を立つと、胡の幼い子は前に行ったり後ろに行ったりし、胡の貴人はすでに酒をささげられるようになり、出れば衣を着て綬をつけ、貴人として前に立つ。数人にこのような待遇を与えて居らせるのです。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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史記 伯夷列伝夫れ学ぶ者には載籍(書籍)極めて博きも、猶ほ信を六芸に考ふべし。詩・書は缺くると雖も、然れども虞・夏の文は知る可きなり。尭の将に位を遜らんとするや、虞舜に譲り、舜・禹の間は、岳牧咸な薦めて、乃ち之を位に試み、職を典ること数十年、功用既に興り、然る後に政を授く。天下は重器たる、王者の大統たる、天下を伝ふるの斯くの如く之れ難きを示せるなり。而るに説く者は曰く、尭、天下を許由に譲るも、許由は受けず、之を恥ぢて逃げ隠る。夏の時に及びて、卞随・務光なる者有り。此れ何を以てか称す。太史公曰く、余、箕山に登りしに、其の上に蓋し許由の冢有り、と云ふ。孔子、古の仁聖賢人を序列して、呉の太伯・伯夷の倫の如きは詳らかにす。余以へらく、聞く所の由・光の義は至高なるに、其の文辞の少しくも概見せざるは、何ぞや。
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『智囊』遠猶・商高宗商の高宗、太子たりし時、其の父小乙、嘗て久しく民間に居らしめ、小民と出入して事を同じくし、以て其の情を知らしむ。〔馮述評〕太祖は太子を教諭するに、必ず命じて備に農家を歴せしめ、その居処・服食・器用を観て、農の労苦を知らしむ。洪武の末、秀才を選び、春坊の官に随いて班を分けて入直し、前に近づきて民間の利害等の事を説かしむ。成祖は北京を巡行するに、二皇長孫をして村落を周行せしめ、農桑の事を歴観せしむ。教諭する者は宜しく以て法と為すべし。
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『智囊』辯才・觸龍左師曰く、「今より三世以前、趙王の子孫の侯と為る者に至るまで、其の継ぎて在る者有るか」。曰く、「有ること無し」。曰く、「此れ近き者は禍身に及び、遠き者は其の子孫に及ぶ。豈に人主の子、侯なれば則ち不善ならんや。位尊くして功無く、奉厚くして労無く、而して重器を挟むこと多ければなり。今、媼は長安の位を尊くし、封ずるに膏腴の地を以てし、多く之に重器を与えて、今功を趙に有らしむるに及ばず。一旦山陵崩ぜば、長安君は何を以て自ら趙に托せんや」。太后曰く、「諾。君の使する所に恣にせよ」。是に於いて長安君の為に車百乗を約し、斉に質たらしむ。斉の師乃ち出で、秦の師退く。
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史記 田敬仲完世家宣公四十三年、晋を伐ち、黄城を毀ち、陽狐を囲む。明年、魯・葛及び安陵を伐つ。明年、魯の一城を取る。荘子卒し、子太公和立つ。田太公斉の宣公に相たり。宣公四十八年、魯の城を取る。明年、宣公鄭人と西城に会す。衛を伐ち、毋丘を取る。宣公五十一年に卒す。田会廩丘より反す。宣公卒し、子康公貸立つ。貸立ちて十四年、酒・婦人に淫し、政を聴かず。太公乃ち康公を海上に遷し、一城を食ましめ、以て其の先祀を奉ぜしむ。明年、魯斉を平陸に敗る。三年、太公魏の文侯と濁沢に会し、諸侯と為らんことを求む。魏の文侯乃ち使をして周の天子及び諸侯に言はしめ、斉の相田和を立てて諸侯と為さんことを請ふ。周の天子之を許す。康公の十九年、田和立ちて斉侯と為り、周室に列し、元年を紀す。斉侯太公和立ちて二年、和卒し、子桓公午立つ。桓公午五年、秦・魏韓を攻む。韓救ひを斉に求む。斉の桓公大臣を召して謀りて曰く、「蚤く之を救ふと晩く之を救ふと孰れぞ」と。騶忌曰く、「救ふこと勿きに若かず」と。段干朋曰く、「救はずんば、則ち韓且に折れて魏に入らんとす。之を救ふに若かず」と。田臣思曰く、「過てり君の謀や。秦・魏韓・楚を攻めば、趙必ず之を救はん。是れ天燕を以て斉に予ふるなり」と。桓公曰く、「善し」と。乃ち陰かに韓の使者に告げて之を遣る。韓自ら以為へらく斉の救ひを得たりと。因りて秦・魏と戦ふ。楚・趙之を聞き、果たして兵を起こして之を救ふ。斉因りて兵を起こして燕国を襲ひ、桑丘を取る。六年、衛を救ふ。桓公卒し、子威王因斉立つ。是の歳、故の斉の康公卒し、絶えて後無し。奉邑皆田氏に入る。斉の威王元年、三晋斉の喪に因りて来りて我が霊丘を伐つ。三年、三晋晋の後を滅ぼして其の地を分つ。六年、魯我を伐ち、陽関に入る。晋我を伐ち、博陵に至る。七年、衛我を伐ち、薛陵を取る。九年、趙我を伐ち、甄を取る。威王初めて位に即きて以来、治めず、政を卿大夫に委ぬ。九年の閒、諸侯并びに伐ち、国人治まらず。
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史記 劉敬叔孫通列伝高帝平城を罷めて歸り、韓王信亡げて胡に入る。是の時に當たりて、冒頓單于と為り、兵彊く、控弦三十萬、數々北邊を苦しむ。上之を患へ、劉敬に問ふ。劉敬曰く、「天下初めて定まり、士卒兵に罷れたれば、未だ武を以て服すべからざるなり。冒頓は父を殺して代はり立ち、群母を妻とし、力を以て威と為す。未だ仁義を以て說くべからざるなり。獨だ計を以て久遠にして子孫を臣と為すべきのみ。然れども恐らくは陛下為す能はざらん」と。上曰く、「誠に可ならば、何為れぞ能はざらん。顧(ただ)柰何(いかん)と為すか」と。劉敬對へて曰く、「陛下誠に能く適長公主を以て之に妻(めあ)はせ、厚く奉じて之に遺らば、彼漢の適女にして送ること厚きを知り、蠻夷必ず慕ひて以て閼氏(えんし)と為し、子を生まば必ず太子と為し、單于に代はらしめん。何となれば、漢の重幣を貪ればなり。陛下歲時に漢の餘る所彼の鮮き所を以て數々問遺し、因りて辯士をして禮節を風諭せしめよ。冒頓在らば、固より子婿為り。死せば、則ち外孫單于と為る。豈に嘗て外孫の敢へて大父と禮を抗する者を聞かんや。兵は戰ふこと無くして以て漸く臣とすべきなり。
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『韓非子』難一第三十六夫れ舅犯の言は、一時の権なり。雍季の言は、万世の利なり」と。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
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