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新書 / 解縣

進諫者類以爲是困不可解也,無具甚矣。陛下肯幸聽臣之計,請陛下舉中國之禍而從之匈奴,中國乘其威而富強,匈奴伏其辜而殘亡,係單于之頸而制其命,伏中行說而笞其背,舉匈奴之衆唯上之令。殺之乎,生之乎,次也。陛下威憚大信,德義廣遠,據天下而必固,稱高號誠所誠宜,俛視中國,仰望四夷,莫不如志矣。然後退齋三日,以報高廟,令天下無愚智男女,皆曰:「皇帝果大聖也。」胡忍以陛下之明,承天下之資,而久爲戎人欺傲若此,可謂國無人矣。

新字:進諫者類以為是困不可解也,無具甚矣。陛下肯幸聴臣之計,請陛下舉中国之禍而従之匈奴,中国乗其威而富強,匈奴伏其辜而残亡,係単于之頸而制其命,伏中行説而笞其背,舉匈奴之衆唯上之令。殺之乎,生之乎,次也。陛下威憚大信,徳義広遠,拠天下而必固,称高号誠所誠宜,俛視中国,仰望四夷,莫不如志矣。然後退斎三日,以報高廟,令天下無愚智男女,皆曰:「皇帝果大聖也。」胡忍以陛下之明,承天下之資,而久為戎人欺傲若此,可謂国無人矣。

書き下し

進諫する者は類ね以為えらく、是の困は解く可からず、具無きこと甚しと。陛下肯えて幸いに臣の計を聴かば、請う陛下中国の禍いを挙げて之を匈奴に従え、中国は其の威に乗じて富強にし、匈奴は其の辜に伏して残亡し、単于の頸を係けて其の命を制し、中行説を伏して其の背を笞うち、匈奴の衆を挙げて唯だ上の令のままにせん。之を殺すか、之を生かすかは、次なり。陛下の威は憚られ大いに信ぜられ、徳義は広遠、天下に拠りて必ず固く、高号を称するは誠に宜しき所、俛して中国を視、仰ぎて四夷を望めば、志の如くならざる莫し。然る後退きて斎すること三日、以て高廟に報じ、天下をして愚智男女と無く、皆な曰わしめん、「皇帝は果たして大聖なり」と。胡ぞ忍びて陛下の明を以て、天下の資を承けながら、久しく戎人の為に欺傲せらるること此くの若きや。国に人無しと謂う可し。

現代語訳

諫言する者は大抵、この困難は解けない、手立てがないのだと考えています。陛下がもし私の計をお聞き入れくださるなら、中国の禍いをことごとく匈奴に負わせてください。中国はその威勢に乗じて富み栄え、匈奴はその罪に伏して滅び、単于の首に縄をかけてその命を握り、中行説を取り押さえてその背を笞打ち、匈奴の民をことごとく上の命令のままにいたします。殺すか生かすかは二の次です。陛下の威は恐れられ、大いに信じられ、徳義は遠くまで広がり、天下に拠って必ず堅固となり、高い称号を名乗るのはまことにふさわしく、うつむいて中国を見、仰いで四夷を望めば、思いどおりにならぬものはありません。その後は退いて三日間斎戒し、高祖の廟に報告し、天下の人々が愚者も賢者も男も女も、みな「皇帝はまことに大聖だ」と言うようになるでしょう。どうして陛下の明知をもって、天下の資力を受け継ぎながら、これほど長く異民族に欺かれ、見下され続けるのですか。国に人がいないと言うべきです。

解説

ここでは、諫言する者たちが解決は不可能だと言うのに対し、賈誼が自分の計ならば匈奴を従えられると言い切ります。威勢のよい言い回しが多く、単于の首に縄をかけるといった表現は、当時の若い論客の気負いを感じさせます。後の史家は、この種の提言が実際に実現しなかった点も含めて評価しますが、本文だけではその点は分かりません。注目したいのは、最後の「国に人無し」の使い方で、解決策を採用しないこと自体を、人材の不在と呼んでいる点です。現代の組織でも、実行可能な提案が出ているのに、前例を理由に採用しない状況はよくあります。大きな主張をするときは、威勢だけでなく、具体的な手立ての裏付けが問われます。続く段が、まさにその具体策になっています。

この章句が説くこと

匈奴単于提案大言国無人新書

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