新書 / 藩傷
夫樹國必審相疑之勢,下數被其殃,上數爽其憂,凶飢數動,彼必将有恠者生焉,禍之所雜,豈可預知。故甚非所以安主上,非所以活大臣者也,甚非所以全愛子者也。既以令之為藩臣矣,為人臣下矣,而厚其力,重其權,使有驕心而難服從也,何異於善砥鏌鎁而予射子,自禍必矣。愛之固使飽粱肉之味,玩金石之聲,臣民之衆,土地之博,足以奉飬宿衛其身,然而權力不足以徼幸,勢不足以行逆,故無驕心,無邪行,奉法畏令,聽從必順,長生安樂,而無上下相疑之禍,活大臣,全愛子,孰精於此。且藩國與制,力非獨少也,制令其有子,以國其子,未有子者,建分以湏之,子生而立,其身而子夭,将何失於實,無喪而葆國無患,子孫世世與漢相湏,長沙可以乆矣,所謂生死而肉白骨,何以異此。
新字:夫樹国必審相疑之勢,下数被其殃,上数爽其憂,凶飢数動,彼必将有恠者生焉,禍之所雑,豈可預知。故甚非所以安主上,非所以活大臣者也,甚非所以全愛子者也。既以令之為藩臣矣,為人臣下矣,而厚其力,重其権,使有驕心而難服従也,何異於善砥鏌鎁而予射子,自禍必矣。愛之固使飽粱肉之味,玩金石之声,臣民之衆,土地之博,足以奉飬宿衛其身,然而権力不足以徼幸,勢不足以行逆,故無驕心,無邪行,奉法畏令,聴従必順,長生安楽,而無上下相疑之禍,活大臣,全愛子,孰精於此。且藩国与制,力非独少也,制令其有子,以国其子,未有子者,建分以須之,子生而立,其身而子夭,将何失於実,無喪而葆国無患,子孫世世与漢相須,長沙可以久矣,所謂生死而肉白骨,何以異此。
書き下し
夫れ国を樹つるは必ず相疑うの勢いを審らかにすべし。下は数しば其の殃いを被り、上は数しば其の憂いを爽い、凶飢数しば動けば、彼必ず将に恠しき者の生ずる有らんとす。禍いの雑わる所、豈に預め知る可けんや。故に甚だ主上を安んずる所以に非ず、大臣を活かす所以に非ず、甚だ愛子を全くする所以に非ざるなり。既に之をして藩臣為らしめ、人の臣下為らしめて、其の力を厚くし、其の権を重くし、驕心有りて服従し難からしむるは、何ぞ善く鏌鎁を砥ぎて射子に予うるに異ならん、自ら禍いすること必せり。之を愛せば固より粱肉の味に飽き、金石の声を玩び、臣民の衆、土地の博きは、以て其の身を奉養宿衛するに足らしめ、然れども権力は以て徼幸するに足らず、勢いは以て逆を行うに足らず、故に驕心無く、邪行無く、法を奉じ令を畏れ、聴従必ず順にして、長生安楽し、上下相疑うの禍い無からしむ。大臣を活かし愛子を全くするは、孰れか此より精なる。且つ藩国と制と、力独り少なきに非ざるなり。制して其れをして子有らしめ、以て其の子を国とし、未だ子有らざる者は、分を建てて以て之を須ち、子生まれて立て、其の身にして子夭すれば、将た何をか実を失わん。喪無くして国を葆んじて患い無く、子孫世世漢と相須たば、長沙以て乆しかる可し。所謂死を生かし白骨に肉づくるとは、何ぞ此に異ならん。
現代語訳
国を立てるときは、必ず互いに疑い合う勢いを見極めるべきです。下はしばしばその災いを受け、上はしばしばその憂いを失い、凶作や飢饉がしばしば起これば、彼らには必ず怪しい者が生じるでしょう。禍いが入り混じるところは、前もって知ることができません。だから、主上を安らかにする方法でもなく、大臣を生かす方法でもなく、愛する子を全うする方法でもありません。すでに藩臣とし、人の臣下としながら、その力を厚くし、その権を重くして、驕る心を持たせて従いにくくするのは、名剣の鏌鎁をよく砥いで、射を習う者に与えるようなもので、自ら禍いを招くことは必定です。愛するなら、粱や肉の味に飽き、金石の音楽を楽しみ、臣民が多く、土地が広く、その身を養い護衛させるに足りるようにしながら、権力は無理を通すに足りず、勢いは逆を行うに足りないようにします。そうすれば驕る心も邪な行いもなく、法を奉じ命令を畏れ、従うことが順当で、長生きして安楽であり、上下が互いに疑う禍いもありません。大臣を生かし愛する子を全うするのに、これより精妙な方法がありましょうか。しかも藩国と制度は、力が少ないだけではありません。制度を定めて子を持たせ、その子を国とし、まだ子のない者は分を立ててそれを待ち、子が生まれて立て、その身のうちに子が早世しても、何の実を失うでしょうか。喪うことなく国を保って患いがなく、子孫が代々漢と助け合うなら、長沙は久しく続くでしょう。いわゆる死者を生かし白骨に肉を付けるとは、これと何が違いましょうか。ただし後半は句読点を四庫全書本から付けたもので、読みに不確かな所があります。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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