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慎思録 / 巻之六

父兄尊長。以非理有虐使於我。宜恭事之。或有非理之求。敬可應其求。不可厭苦吝惜。當公處之直日。宜先期速行。勿遲慢失交代之期。

新字:父兄尊長。以非理有虐使於我。宜恭事之。或有非理之求。敬可応其求。不可厭苦吝惜。当公処之直日。宜先期速行。勿遅慢失交代之期。

書き下し

父兄尊長、非理を以て我を虐使すること有るも、宜しく恭しく之に事ふべし。或は非理の求め有るも、敬して其の求めに応ずべし。厭苦吝惜すべからず。公処の直日に当たりては、宜しく期に先だちて速やかに行くべし。遅慢にして交代の期を失ふこと勿かれ。

現代語訳

父や兄、目上の人が道理に合わないやり方で自分をひどく使うことがあっても、恭しく仕えるべきです。道理に合わない求めがあっても、敬ってその求めに応じるべきです。嫌がったり惜しんだりしてはいけません。公の場での当番の日には、定刻より前に速やかに行くべきです。遅れて交代の時刻を失ってはいけません。

解説

前半は目上の理不尽な扱いや求めにも恭しく応じよという孝悌の教え、後半は公務の当番には早めに行き交代の刻限を守れという勤めの心得です。前半は『論語』里仁篇の「労して怨みず」に通じますが、現代の感覚では受け入れがたい面もあります。益軒の時代の家と身分の秩序を前提とした教えとして読む必要があります。一方、後半の時間を守る心得は今もそのまま通じます。交代の相手を待たせないことは、同僚への最も基本的な敬意です。

この章句が説くこと

孝悌勤め時間

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