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慎思録 / 巻之六

天人一理也。故在天在人雖不同。人氣與天氣相副。天道與人道相應者。未嘗異。葢天有元亨利貞之道。生長收藏之氣。人有仁義禮智之性。應于天道之元亨利貞。有喜怒哀樂之情。應天氣之生長收藏。葢春氣生物。在人爲喜。夏氣長物。在人爲樂。秋氣殺物。在人爲怒。冬氣藏物。在人爲哀。是在天氣。則春秋之生殺相對。夏冬之長藏相對。在人情。則喜怒相對。樂哀相對。此皆爲天人一理。

新字:天人一理也。故在天在人雖不同。人気与天気相副。天道与人道相応者。未嘗異。葢天有元亨利貞之道。生長収蔵之気。人有仁義礼智之性。応于天道之元亨利貞。有喜怒哀楽之情。応天気之生長収蔵。葢春気生物。在人為喜。夏気長物。在人為楽。秋気殺物。在人為怒。冬気蔵物。在人為哀。是在天気。則春秋之生殺相対。夏冬之長蔵相対。在人情。則喜怒相対。楽哀相対。此皆為天人一理。

書き下し

天人は一理なり。故に天に在ると人に在るとは同じからずと雖も、人気と天気と相副ひ、天道と人道と相応ずる者は、未だ嘗て異ならず。蓋し天に元亨利貞の道、生長収蔵の気有り。人に仁義礼智の性有りて、天道の元亨利貞に応ず。喜怒哀楽の情有りて、天気の生長収蔵に応ず。蓋し春気は物を生ず、人に在りては喜と為る。夏気は物を長ず、人に在りては楽と為る。秋気は物を殺す、人に在りては怒と為る。冬気は物を蔵す、人に在りては哀と為る。是れ天気に在りては、則ち春秋の生殺相対し、夏冬の長蔵相対す。人情に在りては、則ち喜怒相対し、楽哀相対す。此れ皆天人一理為り。

現代語訳

天と人とは一つの理です。だから天にあるものと人にあるものは同じではありませんが、人の気と天の気が互いに添い、天の道と人の道が互いに応じることは、これまで異なったことがありません。そもそも天には元・亨・利・貞の道と、生・長・収・蔵の気があります。人には仁・義・礼・智の性があって天道の元亨利貞に応じ、喜・怒・哀・楽の情があって天気の生長収蔵に応じます。春の気は物を生じ、人にあっては喜びとなります。夏の気は物を伸ばし、人にあっては楽しみとなります。秋の気は物を枯らし、人にあっては怒りとなります。冬の気は物をしまい込み、人にあっては哀しみとなります。天の気では春と秋の生と殺が対になり、夏と冬の長と蔵が対になります。人の情では喜と怒が対になり、楽と哀が対になります。これらはみな天と人が一つの理であることを示しています。

解説

天の四徳・四時と人の四性・四情が対応しているとして、天人一理を示した条です。元亨利貞は『易経』乾卦の四徳で、朱子学ではこれを仁義礼智に配します。喜怒哀楽を四季に配する考えは董仲舒の『春秋繁露』などにも見えます。益軒は四季の移ろいと人の心の動きを一続きのものとして捉えました。季節によって気分が変わるのを自然なことと受け止め、自分の感情もまた大きな自然の一部と見ると、心の扱い方に落ち着きが生まれます。

この章句が説くこと

天人一理四季易経感情

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