慎思録 / 巻之三
天生一世之人。亦必生治一世之人。故歐陽子曰。時不乏人。而患聞見之不博也。然則爲人君之道。須博求賢才而任之。舜之明四目達四聰。葢爲此而巳。
新字:天生一世之人。亦必生治一世之人。故欧陽子曰。時不乏人。而患聞見之不博也。然則為人君之道。須博求賢才而任之。舜之明四目達四聰。葢為此而巳。
書き下し
天一世の人を生ずれば、亦必ず一世を治むるの人を生ず。故に欧陽子曰く、時に人に乏しからず、而して聞見の博からざるを患ふ、と。然らば則ち人君為るの道は、須らく博く賢才を求めて之に任ずべし。舜の四目を明らかにし四聡に達するは、蓋し此の為のみ。
現代語訳
天はある時代の人々を生めば、必ずその時代を治める人も生みます。だから欧陽脩は「どの時代にも人材は乏しくない。ただ聞き知ることが広くないのが心配なのだ」と言いました。そうであれば、君主たる者の道は、広く賢才を求めて任せることです。舜が四方の目を明らかにし、四方の耳を通じさせたのは、思うにこのためだったのです。
解説
どの時代にも人材はいるが、見つけられないのは上に立つ者の見聞が狭いからだという人材論です。「四目を明らかにし四聡に達す」は『書経』舜典の語で、舜が四方の情報を広く集めたことを言います。欧陽脩の言葉とされる「時に人に乏しからず」は、宋代の人材登用論によく見られる考え方です。「人がいない」と嘆く前に、自分の探し方や聞く範囲が狭くないかを問うことは、採用や抜擢に悩む今の組織にもそのまま当てはまる指摘です。
この章句が説くこと
人材賢才君道見聞登用
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