尉繚子 / 武議
良馬有策、逺道可致。賢士有合、大道可明。
新字:良馬有策、遠道可致。賢士有合、大道可明。
書き下し
良馬も策有れば、遠道致すべし。賢士も合有れば、大道明らかにすべし。
現代語訳
どんなに良い馬でも鞭があってこそ遠くまで行くことができ、どんなに優れた人物も、それにふさわしい出会いや処遇があってこそ、大きな道理を明らかにすることができる。
解説
才能や素質はそれだけでは眠ったままで、外からの働きかけがあって初めて力を発揮する。良い馬に鞭が要るように、優れた人にも、その力を引き出す出会いや場、後押しが要る。自分の能力に自信があっても発揮できずにいるなら、環境や関係が整っていない可能性を疑ってよい。人を育てる側も、才能を見つけるだけでなく、それを動かす仕掛けまで用意して初めて意味を持つ。

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新語・術事故に良馬は独り騏驥のみに非ず、利剣は惟だ干将のみに非ず、美女は独り西施のみに非ず、忠臣は独り呂望のみに非ず。今馬有れども王良の御無く、剣有れども砥礪の功無く、女有れども芳沢の飾無く、士有れども文王に遭わざれば、道術は蓄積して舒びず、美玉は匵に韞めて深く蔵せらる。故に道を懐く者は世を須ち、樸を抱く者は工を待つ。道は智者の為に説かれ、馬は御者の為に良く、賢は聖者の為に用いられ、辯は智者の為に通じ、書は暁る者の為に伝わり、事は見る者の為に明らかなり。故に事を制する者は其の則に因り、薬を服する者は其の良に因る。書は必ずしも仲尼の門に起こらず、薬は必ずしも扁鵲の方に出でず、之に合う者は善く、以て法と為す可し。世に因りて権行す。
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『甲陽軍鑑』品第十三両上杉中のあしきを北条家にてよろこびの事四ツ氏康譜代衆老若をあはれみ隠居の者をも大小ともに、それ〳〵に扶持しまし〳〵て若者ども家に久しき侍達ち、切符二番目·三番目の子をもよび出し、きりふにて召し遣ひてがら有をば人にとり立てられ候間、此家中老たるも若き親し、も望を存知心がけつよくして、しかも氏康にしみ、此君の用にたち討死仕る命少しも惜からずと思ひ候によりて分 法度なけれど、むさと喧嘩なとさのみなくて一段奥深く見へ候事、五ツと此五ヶ条をもつて長尾いげん入道に申渡す、
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『論語と算盤』立志と学問・自ら箸を取れ青年のうちには、大いに仕事したいが頼みに行く人がないとか、援けてくれる人がないとか、見てくれる人がないとかかこつ者がある。なるほどいかなる俊傑でも、その才気胆略を見出す先輩なり世間なりがなかったら、その手腕を施すによしないことだ。そこで有力な先輩に知己を持つとか、親類に有力な人があるとかいう青年は、その器量を認められる機会が多いから、比較的僥倖かも知れぬけれども、それは普通以下の人の話で、もしその人に手腕があり、優れたる頭脳があれば、たとい早くから有力な知己親類がなくても、世間が閑却してはいない。由来現今の世の中には人が多い。官途にも会社にもないし銀行にも、すこぶる人が余ってるくらいだ。しかし先輩がこれならといって安心して任せられる人物は少ない。だからどこでも優良なる人物ならいくらでも欲しがっている。
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『徂徠先生答問書』卷中されば人々如此心懸候故、見え兼るもことわりにて候。足下も御先祖様の時代の事御聞可被成候。今の世より見候へば、其時分に名を申候能人と申候は皆疵物にて候。是別の子細に無御座候。其時分はぬり隠し申候事無御座候故、疵見え申候。疵見え申候得ば、人才は見え申候。今時も世上の悪俗に染不申候人は疵多く御座候間、疵物にならでは人才はなき物と被思召、疵物の内にて御ゑらび可被成候。疵もなく才も長じ候人を御尋候はゞ、最前申候御物ずきの注文と申物にて、疵なき人は郷原か巧言令色か扨は庸人と可被思召候。以上。
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『政談』官位爵祿の次第並に勳階頭助允目の事且又役人を年久しく役換をさせねは、述懐することなく、其の役に器量相応にて、能く役儀のことを取り捌く人を外の役に替ふることは惜きことなり、是によりて一役に久しく仕置きて役換を申付ぬ時、加增か官位この外仕方なし、是上より下へ賜はりて下たるものに、勇まする道具少き故人を使ふに行支なるなり、町奉行、盗賊奉行なとをする人、役儀を能く勤めて外の役に換へ措しけれと、加增も度々はやられす、是非なく大目付などに役換をさせて、外の人を後役に申付たるとき、幾人申付けても初め大目付に役換をさせたる人の如き人なからんとき、又其人を元役に返すこと後へ歩むことなれは申付け難し、是は譬なり、外の役儀にも箇様なることあるへし、此差支皆な一役一席に立てたるより起りたるなり、