慎思録 / 巻之三
陰陽無物不在。一氣之流行爲陽。凝聚爲陰。長進爲陽。消退爲陰。春夏爲陽。秋冬爲陰。温熱爲陽。凉寒爲陰。生長爲陽。收藏爲陰。動爲陽。靜爲陰。木火爲陽。金水爲陰。晝爲陽。夜爲陰。明爲陽。暗爲陰。仁禮爲陽。義智爲陰。鬼爲陰。人爲陽。鬼爲陰。神爲陽。以淑慝之分言之。善爲陽。惡爲陰。君子爲陽。小人爲陰。中國爲陽。夷狄爲陰。
新字:陰陽無物不在。一気之流行為陽。凝聚為陰。長進為陽。消退為陰。春夏為陽。秋冬為陰。温熱為陽。凉寒為陰。生長為陽。収蔵為陰。動為陽。静為陰。木火為陽。金水為陰。昼為陽。夜為陰。明為陽。暗為陰。仁礼為陽。義智為陰。鬼為陰。人為陽。鬼為陰。神為陽。以淑慝之分言之。善為陽。悪為陰。君子為陽。小人為陰。中国為陽。夷狄為陰。
書き下し
陰陽は物として在らざる無し。一気の流行を陽と為し、凝聚を陰と為す。長進を陽と為し、消退を陰と為す。春夏を陽と為し、秋冬を陰と為す。温熱を陽と為し、涼寒を陰と為す。生長を陽と為し、収蔵を陰と為す。動を陽と為し、静を陰と為す。木火を陽と為し、金水を陰と為す。昼を陽と為し、夜を陰と為す。明を陽と為し、暗を陰と為す。仁礼を陽と為し、義智を陰と為す。鬼を陰と為し、人を陽と為す。鬼を陰と為し、神を陽と為す。淑慝の分を以て之を言へば、善を陽と為し、悪を陰と為す。君子を陽と為し、小人を陰と為す。中国を陽と為し、夷狄を陰と為す。
現代語訳
陰陽はあらゆる物にあります。一つの気が流れ動くのを陽とし、凝り集まるのを陰とします。伸び進むのを陽とし、消え退くのを陰とします。春夏を陽とし、秋冬を陰とします。温かさ暑さを陽とし、涼しさ寒さを陰とします。生じ伸びるのを陽とし、収めしまうのを陰とします。動を陽とし、静を陰とします。木と火を陽とし、金と水を陰とします。昼を陽とし、夜を陰とします。明るさを陽とし、暗さを陰とします。仁と礼を陽とし、義と智を陰とします。鬼を陰とし、人を陽とします。鬼を陰とし、神を陽とします。善し悪しの区別で言えば、善を陽とし、悪を陰とします。君子を陽とし、小人を陰とします。中国を陽とし、夷狄を陰とします。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
『呻吟語』内篇・存心・一事に心を留めざれば、一事其の理を得ず只だ一事に心を留めざれば、便ち一事の其の理を得ざる有り。一物に心を留めざれば、便ち一物の其の所を得ざる有り。
-
孫子・九変篇孫子曰く、凡そ兵を用うるの法は、将、命を君より受け、軍を合し衆を聚む。圮地には舍せず、衢地には交を合し、絶地には留まらず、囲地には則ち謀り、死地には則ち戦ふ。途に由らざる所有り、軍に撃たざる所有り、城に攻めざる所有り、地に争はざる所有り、君命に受けざる所有り。
-
孫子・火攻篇火は外より発すべく、内を待つ無く、時を以て之を発す。
-
『茶の本』第二章 茶の諸流・古典的・ローマン的・自然主義的煮る団茶、かき回す粉茶、淹す葉茶はそれぞれ、唐、宋、明の気分を明らかに示している。もし、芸術分類に濫用された名称を借りるとすれば、これらをそれぞれ、古典的、ローマン的、および自然主義的な茶の諸流と言えるであろう。
-
『呻吟語』内篇・性命・鍾する所有る者は、必ず似る所有り凡そ人の光明博大・渾厚含蓄は、是れ天地の氣。溫煦和平は、是れ陽春の氣。寬縱任物は、是れ長夏の氣。嚴凝斂約・喜刑好殺は、是れ秋の氣。沉藏固嗇は、是れ冬の氣。暴怒は、是れ震雷の氣。狂肆は、是れ疾風の氣。昏惑は、是れ霾霧の氣。隱恨留連は、是れ積陰の氣。從容溫潤は、是れ和風甘雨の氣。聰明洞達は、是れ青天朗月の氣。鍾する所有る者は、必ず似る所有り。
-
『墨子』非樂上今、惟だ王公大人に在りて樂を説びて之を聴かば、即ち必ず蚤に朝し晏く退き、獄を聴き政を治むる能わず。是の故に國家亂れて社稷危うし。今、惟だ士君子に在りて樂を説びて之を聴かば、即ち必ず股肱の力を竭くし、其の思慮の智を亶くし、内は官府を治め、外は關市・山林・澤梁の利を收歛して、以て倉廪府庫を實たす能わず。是の故に倉廪府庫、實たず。今、惟だ農夫に在りて樂を説びて之を聴かば、即ち必ず蚤に出で暮に入り、耕稼樹藝して、多く升粟を聚むる能わず、足らず。今、惟だ婦人に在りて樂を説びて之を聴かば、即ち必ず夙に興き夜に寐ね、紡績織絍して、多く麻絲葛緒を治め、布縿を細くせず。是の故に布縿、興らず。曰く、孰か大人の聴治を為して國家の従事を廢するか。曰く、樂なり。是の故に子墨子曰く、樂を為すは非なり、と。