呻吟語 / 内篇・性命・鍾する所有る者は、必ず似る所有り
凡人光明博大、渾厚含蓄,是天地之氣;溫煦和平,是陽春之氣;寬縱任物,是長夏之氣;嚴凝斂約、喜刑好殺,是秋之氣;沉藏固嗇,是冬之氣;暴怒,是震雷之氣;狂肆,是疾風之氣;昏惑,是霾霧之氣;隱恨留連,是積陰之氣;從容溫潤,是和風甘雨之氣;聰明洞達,是青天朗月之氣。有所鍾者,必有所似。
新字:凡人光明博大、渾厚含蓄,是天地之気;温煦和平,是陽春之気;寛縦任物,是長夏之気;厳凝斂約、喜刑好殺,是秋之気;沈蔵固嗇,是冬之気;暴怒,是震雷之気;狂肆,是疾風之気;昏惑,是霾霧之気;隠恨留連,是積陰之気;従容温潤,是和風甘雨之気;聰明洞達,是青天朗月之気。有所鍾者,必有所似。
書き下し
凡そ人の光明博大・渾厚含蓄は、是れ天地の氣。溫煦和平は、是れ陽春の氣。寬縱任物は、是れ長夏の氣。嚴凝斂約・喜刑好殺は、是れ秋の氣。沉藏固嗇は、是れ冬の氣。暴怒は、是れ震雷の氣。狂肆は、是れ疾風の氣。昏惑は、是れ霾霧の氣。隱恨留連は、是れ積陰の氣。從容溫潤は、是れ和風甘雨の氣。聰明洞達は、是れ青天朗月の氣。鍾する所有る者は、必ず似る所有り。
現代語訳
人が明るく大きく、厚く含みを持っているのは天地の気です。温かく穏やかなのは春の気。寛くゆるやかに任せるのは真夏の気。厳しく引き締まり、刑を好み殺すのを喜ぶのは秋の気。深く蔵し固く惜しむのは冬の気。荒々しく怒るのは雷の気。狂って放埒なのは疾風の気。ぼんやり惑うのは霧の気。恨みを隠して引きずるのは積もった陰の気。ゆったり温かく潤うのは和らいだ風と恵みの雨の気。聡明で見通しがきくのは青空と明るい月の気です。何かが集まった者には、必ずそれに似たところがあります。
解説
人柄が十一種の自然の気に振り分けられます。春夏秋冬から雷、疾風、霧、積もった陰、そして青空と月まで。面白いのは良し悪しの評価を挟まずに並べていることで、荒々しい怒りも霧のような惑いも、自然の一つの現れとして置かれます。そして最後に一句だけ添えられる。何かが集まった者には必ず似たところがある、と。人柄を気質として見るこの書の土台です。
この章句が説くこと
気質自然分類天候対応
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