師導古典を学びたいすべての人に

慎思録 / 巻之二

大學或問曰。天下之物。必各有所以然之故。與其所當然之則。所謂理也。愚謂。所當然者。理之易見者。所謂粗也。所以然者。理之難見者。所謂精也。夫理者一也。以其有表裏精粗。而有二者之別。

新字:大学或問曰。天下之物。必各有所以然之故。与其所当然之則。所謂理也。愚謂。所当然者。理之易見者。所謂粗也。所以然者。理之難見者。所謂精也。夫理者一也。以其有表裏精粗。而有二者之別。

書き下し

大学或問に曰く、天下の物は、必ず各々其の然る所以の故と、其の当に然るべき所の則と有り。所謂理なり、と。愚謂ふ、当に然るべき所の者は、理の見易き者なり。所謂粗なり。然る所以の者は、理の見難き者なり。所謂精なり。夫れ理は一なり。其の表裏精粗有るを以て、二者の別有り。

現代語訳

『大学或問』に「天下の物には、必ずそれぞれ、そうである理由(所以然の故)と、そうあるべき規則(所当然の則)とがある。これがいわゆる理である」とあります。私が思うに、そうあるべき規則は、理のうち見やすいもので、いわゆる粗です。そうである理由は、理のうち見にくいもので、いわゆる精です。そもそも理は一つです。表と裏、精と粗があるので、二つの区別があるのです。

解説

朱子『大学或問』の、理を「所以然の故」と「所当然の則」とに分ける有名な定義を、精粗の別で整理した条です。親に孝であるべきだというのが所当然、なぜそうなのかが所以然で、前者は見えやすく後者は深い、というわけです。仕事でも、手順やルール(そうすべきこと)はすぐ覚えられますが、なぜそうするのか(理由)まで理解して初めて、状況が変わったときに応用がききます。二つは別物ではなく一つの理の表と裏だ、という点も大切です。

この章句が説くこと

格物精粗所以然朱子学

関連する章句

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ
いま登録すると、7日間すべての機能を無料でお試しいただけます。 無料ではじめる