新論 / 虜情
其初也出沒洋中、以測吾地形、闚吾動靜、而又誘吾人民、尋而厚禮以乞通商、及黠計不行、乃劫蝦夷焚吾官府、掠吾戎器、而又更要通市、是其闚伺有漸、而其請求、或自飾以禮、或嚇人以兵、百方兼施、其術莫不至、而其意亦可知也、而偸安之徒、動謂彼特欲米穀、不足深慮焉、何其不思之甚也、
新字:其初也出没洋中、以測吾地形、闚吾動静、而又誘吾人民、尋而厚礼以乞通商、及黠計不行、乃劫蝦夷焚吾官府、掠吾戎器、而又更要通市、是其闚伺有漸、而其請求、或自飾以礼、或嚇人以兵、百方兼施、其術莫不至、而其意亦可知也、而偸安之徒、動謂彼特欲米穀、不足深慮焉、何其不思之甚也、
書き下し
其の初めや洋中に出没して、以て吾が地形を測り、吾が動静を闚ひ、而して又吾が人民を誘ふ。尋いで礼を厚くして以て通商を乞ひ、黠計行はれざるに及びて、乃ち蝦夷を劫かし吾が官府を焚き、吾が戎器を掠め、而して又更に通市を要む。是れ其の闚伺に漸有り、而して其の請求、或いは自ら飾るに礼を以てし、或いは人を嚇すに兵を以てし、百方兼ね施し、其の術至らざる莫し、而して其の意も亦知るべきなり。而るに偸安の徒、動もすれば謂ふ、彼は特に米穀を欲するのみ、深く慮るに足らずと。何ぞ其れ思はざるの甚だしきや。
現代語訳
ロシアははじめ海上に出没して、わが国の地形を測り、わが国の動静をうかがい、またわが国の人民を誘った。まもなく礼を厚くして通商を求め、そのずる賢い計略がうまくいかないとなると、蝦夷を脅かし、わが国の役所を焼き、わが国の武器を奪い、そのうえでさらに交易を要求した。つまりその探りには段階があり、その要求は、あるときは礼で自らを飾り、あるときは兵で人を脅すというように、あらゆる手を併せて用い、その術は至らないところがない。その意図もまた知ることができる。それなのに目先の安楽をむさぼる者たちは、何かといえば「彼らはただ米が欲しいだけで、深く心配するには及ばない」と言う。なんと考えの足りないことか。
解説
この章句が説くこと
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『墨子』七患子墨子曰く、國に七患有り。七患なる者は何ぞ。城郭溝池、守る可からずして、宫室を治む、一の患なり。邊寇、境に至るも、四鄰救う莫し、二の患なり。先ず民力を無用の功に盡くし、無能の人に賞賜し、民力、無用に盡き、財寳、侍客に虚し、三の患なり。仕うる者は祿を待ち、游ぶ者は反るを思い、君は法を脩めて臣を討ち、臣は懾れて敢えて拂らわず、四の患なり。君、自ら以て聖智と為して事を問わず、自ら以て安彊と為して守備無く、四鄰、之を謀るも戒を知らず、五の患なり。言う所は忠ならず、忠とする所は信ならず、六の患なり。畜え種うる菽粟、以て之を食らわすに足らず、大臣、事を治むるに足らず、賞賜は喜ばしむる能わず、誅罰は威らしむる能わず、七の患なり。七患を以て國に居らば、必ず社稷無からん。七患を以て城を守らば、敵至りて國傾かん。七患の當たる所、國に必ず殃有り。
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