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新語 / 道基

夫人者,寬博浩大,恢廓密微,附遠寧近,懷來萬邦。故聖人懷仁仗義,分明纖微,忖度天地,危而不傾,佚而不亂者,仁義之所治也。行之於親近而疎遠悅,脩之於閨門之內而名譽馳於外。故仁無隱而不著,無幽而不彰者。虞舜蒸蒸於父母,光耀於天地;伯夷、叔齊餓於首陽,功美垂於萬代;太公自布衣昇三公之位,累世享千乘之爵;知伯仗威任力,兼三晉而亡。是以君子握道而治,據德而行,席仁而坐,杖義而彊,虛無寂寞,通動無量。故制事因短,而動益長,以圓制規,以矩立方。聖人王世,賢者建功,湯舉伊尹,周任呂望,行合天地,德配陰陽,承天誅惡,克暴除殃,將氣養物,明□設光,耳聽八極,目覩四方,忠進讒退,直立邪亡,道行姦止,不得兩張,□□本理,杜漸消萌。

新字:夫人者,寛博浩大,恢廓密微,附遠寧近,懐来万邦。故聖人懐仁仗義,分明繊微,忖度天地,危而不傾,佚而不乱者,仁義之所治也。行之於親近而疎遠悦,脩之於閨門之内而名誉馳於外。故仁無隠而不著,無幽而不彰者。虞舜蒸蒸於父母,光耀於天地;伯夷、叔斉餓於首陽,功美垂於万代;太公自布衣昇三公之位,累世享千乗之爵;知伯仗威任力,兼三晋而亡。是以君子握道而治,拠徳而行,席仁而坐,杖義而彊,虚無寂寞,通動無量。故制事因短,而動益長,以円制規,以矩立方。聖人王世,賢者建功,湯舉伊尹,周任呂望,行合天地,徳配陰陽,承天誅悪,克暴除殃,将気養物,明□設光,耳聴八極,目睹四方,忠進讒退,直立邪亡,道行姦止,不得両張,□□本理,杜漸消萌。

書き下し

夫れ人なる者は、寛博浩大、恢廓密微、遠きに附き近きを寧んじ、万邦を懐来す。故に聖人は仁を懐き義に仗り、纖微を分明にし、天地を忖度し、危うくして傾かず、佚にして乱れざる者は、仁義の治むる所なり。之を親近に行えば疎遠悦び、之を閨門の内に修むれば名誉外に馳す。故に仁は隠れて著れざる無く、幽にして彰らかならざる無き者なり。虞舜は父母に蒸蒸として、天地に光耀す。伯夷・叔斉は首陽に餓うれど、功美は万代に垂る。太公は布衣より三公の位に昇り、累世千乗の爵を享く。知伯は威に仗り力に任せ、三晋を兼ねて亡ぶ。是を以て君子は道を握りて治め、徳に拠りて行い、仁に席して坐し、義を杖つきて彊く、虚無寂寞にして、通動量り無し。故に事を制するに短に因れば、動きて益々長く、円を以て規を制し、矩を以て方を立つ。聖人世に王として、賢者功を建つ。湯は伊尹を挙げ、周は呂望を任ず。行い天地に合し、徳陰陽に配し、天を承けて悪を誅し、暴に克ち殃を除き、気を将いて物を養い、明□光を設け、耳は八極を聴き、目は四方を覩、忠進みて讒退き、直立ちて邪亡び、道行われて姦止み、両つながらは張るを得ず、□□本理、漸を杜ぎ萌を消す。

現代語訳

人というものは、ゆったりと広く大きく、広々としながら細やかで、遠い者を慕わせ近い者を安んじ、あらゆる国を懐かせます。だから聖人は仁を抱き義を頼みとし、細かなことを明らかにし、天地を推し量り、危うくても傾かず、安逸でも乱れないのは、仁義が治めているからです。仁義を身近な者に行えば遠く疎い者も喜び、家の中で修めれば名誉は外に広がります。だから仁は、隠れていて現れないことも、奥にあって明らかにならないこともありません。舜は父母にひたすら孝を尽くして、その光は天地に輝きました。伯夷・叔斉は首陽山で餓えましたが、その功と美しさは万代に伝わっています。太公望は無位の身から三公の位に昇り、何代も大国の爵位を受け継ぎました。知伯は威勢と力に任せ、三晋を併せようとして滅びました。そこで君子は道を握って治め、徳に拠って行い、仁の席に座り、義を杖として強く、無為で静かでありながら、働きは量り知れません。短所に応じて事を処すれば、動くほど長所が伸び、円は規で、方形は矩で整えます。聖人が世の王となり、賢者が功を立てます。湯は伊尹を挙げ、周は呂望を任じました。行いは天地に合い、徳は陰陽に並び、天を承けて悪を誅し、暴に勝ち災いを除き、気をもって物を養い、明らかな(欠字)が光を放ち、耳は八方の果てまで聞き、目は四方を見渡し、忠臣は進み讒言する者は退き、正直な者が立ち邪な者は滅び、道が行われて姦が止み、両方が同時に張ることはなく、(欠字)本の理をもって、悪の兆しを防ぎ芽を消します。

解説

この段は仁義の力を、人の器の大きさから語り起こし、舜・伯夷・太公・知伯の例で確かめます。仁義が近しい者に行われれば遠い者も慕う、という運びは、組織の信頼が内側から広がることを示しています。知伯の例は、威と力に頼って三晋を併せようとして滅びた反面教師です。後半は、君子が仁に座り義を杖とすると述べ、忠と讒、直と邪は同時に栄えないと続けます。ただし本文に二箇所の欠字があり、「明□光を設け」と「□□本理」の意味は取りきれません。経営者にとっては、まず身近なところで信頼を築くこと、そして威勢で人を動かした会社の末路を戒めとすることが読みどころになります。

この章句が説くこと

仁義知伯舜君子忠と讒新語

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